一人芝居、沖縄で10周年 インディペンデント番外編 銘苅ベース4月20・21日で開催

公演「INDEPENDENT」沖縄版への来場を呼びかける犬養憲子=4日、沖縄タイムス社

 大阪発の「最強の一人芝居フェスティバル『INDEPENDENT(インディペンデント)』」の沖縄版が今年、10周年を迎えた。節目を記念し、「EX(番外編)」として、沖縄版を主催する犬養憲子と県内外から招待された3人の役者が競演し、それぞれ30分間の持ち時間で一人芝居を披露する。

 大阪インディペンデントシアターを拠点に、2001年に始まった「INDEPENDENT」は全国ツアーや地域版の開催を続け、これまでに600作以上の一人芝居を送り出してきた。

 沖縄には11年のツアーで初上陸し、14年のプレ企画を経て15年から定期開催している。プレ公演には大御所の北島角子と吉田妙子も出演したが、現在は若手俳優の出演が主となっている。

 主催の犬養は「一人芝居にはお芝居をやる上での全てが詰まっている。出ると決めて練習するだけで、俳優の中で何かが変わる。だが、ハードルが高い面もあるので、少し下げて沖縄の役者にも『出てみたら』と言いたかった」と振り返る。自身も出演を続け「(作品という)名刺がたくさんできたし、演技の持ち球も増えた」と手応えを語る。沖縄版で公演した「楽屋から」「TYPE-OSK」「くいくがりのなみだ」などは全国から再演の声がかかり、昨年発表した「はぐ」は今年の札幌版に招待された。

 20、21両日に那覇市のアトリエ銘苅ベースで開催される沖縄版で犬養は「ふれるものみな」(脚本・演出=樋口ミユ)を初演する。フェンスに囲まれた島の過去と今、未来の話だ。「明るい話を」という犬養のリクエストに樋口は「希望の見える作品」で応えたという。犬養は「沖縄のことをやりますって言うと引かれるが、そこから笑いもあって、基地もあって、日常を生きている沖縄の現状が伝わればいいと思っている」と語った。

 他の県内作品は金城太志の「そして、乳がでる」(脚本=平塚直隆、演出=田原雅之)、知花錦の「ごとっ」(脚本=知花、演出=田原)。大阪からは亀山貴也の「Too Late To Die」(脚本・演出=二朗松田)が招かれた。

 開演時間は20日が午後3時と同7時、21日が同1時。入場料は一般2500円、22歳以下2千円。予約はイヌカイ、電話090(3795)4049。(社会部・真栄里泰球)

© 株式会社沖縄タイムス社