土門拳の風景作品に焦点を当てた写真展「祈りの風景〜土門拳自選作品集より」開催

By CAPA編集部

土門拳写真展「祈りの風景〜土門拳自選作品集より」が、2024年4月15日より開催されます。

「法隆寺遠望」1961年

東京工芸大学の写大ギャラリーでは、1200点を超える土門拳コレクションを収蔵しています。本展ではその中から、『土門拳自選作品集』(1977年) に掲載された作品のうち風景写真に焦点を当て、仏像や自然の作品を展示します。

『土門拳自選作品集』の構成−レイアウト・造本は、日本を代表するグラフィックデザイナー・亀倉雄策 (1915年〜1997年) の手によるもの。東京オリンピック (1964年) や大阪万博 (1970年) のポスター、ニコンやNTTのロゴマークなどを手がけた亀倉は、土門とも多くの仕事を共にしました。

昔から土門が撮る風景が好きだったという亀倉は、土門について「彼の写真は強い。そして彼の写真は涙もろい」「風景写真をほめると、ひどくてれた」と述べています。日本を代表するグラフィックデザイナーが認め、本人も「てれた」という土門拳の風景への眼差しを、あらためて見てみようというのが本展の趣旨です。毎日新聞社が主催する土門拳賞との連携企画として開催されます。

土門拳展「祈りの風景〜土門拳自選作品集より」〜写大ギャラリー・コレクション〜

会期 2024年4月15日 (月) ~6月1日 (土)
会場 東京工芸大学 写大ギャラリー
住所 東京都中野区本町2-4-7 東京工芸大学5号館 (芸術情報館) 2F
時間 10:00〜19:00
休館日 木曜・日曜・祝日
入場料 無料
問い合わせ 東京工芸大学 (TEL 03-3372-1321)

土門 拳 (Ken Domon)

1909年、山形県酒田市生まれ。中学時代より画家を志すが、家の事情で断念。1933年に営業写真館である宮内幸太郎写真場の内弟子となるが、報道写真家を目指し、1935年、ドイツから帰国した名取洋之助が設立した日本工房に入社。戦後は絶対非演出の「リアリズム写真」をカメラ雑誌などで提唱し、写真界に大きな影響を与えた。1958年に写真集『ヒロシマ』を刊行、国内外で高い評価を得る。筑豊炭鉱地帯の窮状を取材した1960年刊行の写真集『筑豊のこどもたち』は10万部を超えるベストセラーとなる。ライフワークとなった「古寺巡礼」シリーズでは、仏像や寺院の撮影を約40年にわたって続けるなど、一貫して日本を撮り続けた。1990年没。
→ 土門拳記念館

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