多頭飼育崩壊から救出された餓死寸前の犬 しっかり食べて日課の散歩も楽しめるように 頑張り屋さんに起きた突然の異変

多頭飼育崩壊現場で餓死寸前となっていたハチ

2022年、福岡県朝倉郡のとある民家で多頭飼育崩壊が起きました。そこでは何匹ものワンコたちがいましたが、1匹の中型犬はガリガリに痩せ細り餓死寸前でした。

ワンコの名は「ハチ」。この民家はすでに汚物の山となっており、ワンコたちはその上にエサを撒かれるという状況だったそうです。ハチは他のワンコたちにエサを取られてしまい、満足な栄養を摂ることができず、ガリガリになってしまったのではと思われました。

餓死寸前のハチを最優先で保護すべきと、地域の民生委員Fさんの協力のもと、福岡県の保護ボランティアチーム、わんにゃんレスキューはぴねす(以下、はぴねす)が引き出すことにしました。

献身的なケアのもと健康と笑顔を取り戻してくれた

保護当初のハチの体は骨と皮状態でした

保護当初のハチは、あばら骨がくっきり浮き出ていて、骨と皮だけ状態でした。保護された後、提携する預かりメンバーの1人がハチのお世話を引き受けてくれました。そして、「とにかくハチにしっかり太ってもらおう」と、1日3回きちんとエサを与えました。幸い食欲は旺盛でペロッと完食。飢えの不安がなくなったせいか、覇気のなかった目が日に日に輝きを増していきました。

元気を取り戻してくれた頃のハチ。後になって思えばこの頃がハチにとって「最後で唯一の幸せな日々」でした

数カ月後には「太り過ぎ問題」も。ダイエットと合わせて、弱っていたハチの足腰を鍛えるやめに、預かりメンバーは毎日欠かすことなく散歩に連れ出すことにしました。

散歩中、預かりメンバーの表情を何度も見てはうれしそうな笑顔を浮かべるハチ。ここまでの経緯を経てはぴねすの代表は、「ハチを保護して本当に良かった。そして1日も早くハチに『ずっとの家族』見つけてあげたい」と思いました。

しかし、ハチの穏やかな生活は長くは続きませんでした。

認知症の症状に加え、自力で立ち上がれなくなった

しばらくすると、ハチに認知症のような症状が出てきました。生活が昼夜逆転するようになり、夜間になるとしきりに鳴くようになりました。体力がみるみる落ちていき、どれだけエサを与えても痩せていきます。自力で立ち上がることが難しくなり、オムツを履かせることにしました。

献身的な世話をしてもハチの体調は以前のようには戻りませんでした。

眠るように旅立った

はぴねすスタッフのたっぷりの愛情を受けたハチは、この後静かに虹の橋をわたりました

あれだけ大好きだったエサも喉を通らなくなり、流動食も飲み込んでくれません。手のほどこしようのない状況にはぴねすの代表や預かりメンバーは、今後のサポートについてと熟考に熟考を重ねました。

そんなある日、ハチは声も上げることももがくこともせず、ベッドに横になって静かに虹の橋を渡っていきました。

眠っているようなハチに代表はこう言いました。

「新しい家族を見つけてあげられなくてごめんね。お空の向こうではいっぱい食べて元気に過ごすんだよ」

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(まいどなニュース特約・松田 義人)

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