藤岡康太「生まれ変わっても騎手になりたい」 追悼―競馬を愛したジョッキーへ

2024年4月10日午後7時49分、6日の阪神7Rで落馬した藤岡康太騎手がこの世を去った。35歳だった。

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■メディアの取材にも常に笑顔で

藤岡康騎手は2007年のデビューからJRA通算803勝。2009年のNHKマイルCを10番人気のジョーカプチーノでGI初制覇を飾り、GI2勝を含む重賞22勝。今年3月30日の阪神10RではJRA通算800勝のメモリアルに到達した。

2018年の神戸新聞杯では落馬負傷した福永祐一騎手の代わりに騎乗したダービー馬ワグネリアンを勝利に導き、21年の京都大賞典ではダービー馬マカヒキを5年ぶりの復活Vへ。

2023年のマイルCSでも同日に落馬負傷したR.ムーア騎手の代役を担いナミュールへ騎乗し優勝へ導くなど、数々の名レースで魅了してくれたジョッキーだった。

何より、競馬場でもトレセンでも、そして我々メディアの取材にも、常に笑顔で接してくれた藤岡康騎手は、多くの関係者やファンに愛された人物だった。

■「生まれ変わってもジョッキーに」

『月刊UMAJIN2010年8月号』に掲載された「ジョッキーに100の質問」では、約3時間に及ぶロングインタビューになったが、競馬ファンの質問に一つひとつ、丁寧に答えてくれた。

本誌では、調教師の父・健一師、兄・佑介騎手の影響で騎手を目指したことや、海外挑戦をしたいという目標のほか、パドックでは自分の横断幕の枚数を数えたり、ジョーカプチーノでGIを制した時は上野駅でカプチーノを飲んだといった、お茶目なエピソードも気さくに答えてくれた。

「ファンから声援をもらえるのは力になります」「ファンレターは全部読んでいます」と、ファンサービスにも熱心だった。

そして、100の質問の中にあった「生まれ変わってもジョッキーになりたい?」という質問に「はい、もちろん」と即答した藤岡康騎手は、心の底から競馬を愛していた。

「ひとつだけ願い事が叶うとしたら?」という質問への回答は「日本ダービーで1番人気に騎乗すること」。その夢は叶わなかったが、多くの関係者に愛された彼なら、きっと空の上で1番人気の名馬の手綱を任せられるに違いない。

藤岡康太騎手、心よりご冥福をお祈りいたします。

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