岸田首相の米議会演説は「よく作られていた」 それでも立憲・泉代表が「余計な発言」と突っ込みたくなった内容

訪米中の岸田文雄首相は2024年4月12日未明(日本時間)、連邦議会の上下両院合同会議で演説を行った。演説冒頭では「日本の国会では、これほど素敵な拍手を受けることはまずありません」と、ジョークを飛ばす場面もあった。

立憲民主党の泉健太代表は同日の会見で、この部分に反応。演説全体については「よく作られたスピーチ」だと評価した一方で、「つかみ」の部分には「総理の余計な発言は除いてもよかった」、拍手がないのは「自業自得」と苦言を呈した。

「腐った状態を変えられないわけですから、それは国会で拍手を受けるわけがない」

岸田首相の演説は「未来に向けて -我々のグローバル・パートナーシップ-」と題するもので、35分間にわたって行われた。

ジョークを織り交ぜつつ、「皆様、米国の最も親しい友人、トモダチとして、日本国民は、自由の存続を確かなものにするために米国と共にあります。それは、日米両国の国民にとどまらず、全ての人々のためにであります」などと述べた。

泉代表は同日の会見で、演説について「よく作られたスピーチだな、というふうに思いました」とする一方で、「あの総理の余計な発言は除いてもよかったかな、と思いますね」と苦笑。

「余計な発言」として、演説の冒頭で岸田首相が「日本の国会では、これほど素敵な拍手を受けることはまずありません」と冗談めかしていたことを挙げた。

自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題を引き合いに出しながら、次のように批判した。

「それはそうでしょう。それ自業自得ですからね?総理自身が国内政治において国民を無視し、そして自民党自身腐った状態を変えられないわけですから......、それは国会で拍手を受けるわけがないわけでありまして。ここはもう自ら反省をしてもらいたいという話ですね」

「総理の決断、全てが正しいと自ら言っては駄目でして......総理の決断は全然正しくないわけですから」

さらに、演説の「ギャラリーにいる妻の裕子を御紹介します。私が裕子と結婚したという一事をもって、私の決断全てが正しいものであると、皆様に信用いただけるのではないでしょうか」という部分も疑問視した。

「あと、奥さんの裕子さんを選ばれたのは間違いではないと思いますが。だからといってですね、総理の決断、全てが正しいと自ら言っては駄目でして......総理の決断は全然正しくないわけですから。そこは分けて考えてもらわなきゃいかん、というふうに思います」

その上で、演説内容としては「余計な総理のエピソードというかスピーチを除けば、日本外交としての、これは首相官邸ですとか、外務省ですとか、大使館......その総合力ということであると思います。そういったものは、私は発揮をされたのではないかというふうに考えています」と一定の評価を示した。

岸田首相のジョークについては、SNSでも厳しい評価が相次いでいる。

「マジでヤバい岸田文雄。国民には増税、自民は脱税で拍手起きるわけねえだろ。国民としては、とても笑えない話だ」

「岸田文雄『日本の国会では、これほどすてきな拍手を受けることはまずない』 裏金問題について真摯に反省しているならば、こういうふざけた事は言わないものと思いますが」

「自分たちは世界的にも高額過ぎる報酬や特権の上に脱税で良い生活を送りつつ、実質賃金が下がり続ける国民からはこれでもかと搾り取った税金を米国に貢ぐんだから、拍手したい国民なんておらんやろ」

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