独3月CPI、前年比2.3%上昇 約3年ぶり低水準 利下げ圧力高まる

Maria Martinez

[ベルリン 12日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が12日発表した3月の消費者物価指数(CPI)改定値は欧州連合(EU)基準(HICP)で前年同月比2.3%上昇と、速報から変わらなかった。

伸び率は2月の2.7%から鈍化し、2021年6月以来の低水準となった。エネルギーと食品価格が下落した。ユーロ圏の物価上昇圧力が弱まりつつあることが示され、欧州中央銀行(ECB)に対する利下げ開始圧力が高まる可能性がある。

変動の激しい食品とエネルギー価格を除いたコアインフレ率は3.3%で、2月の3.4%から低下した。

食品価格は0.7%下落。前年比マイナスは15年2月以来という。

エネルギー価格は2.7%下落。今年に入ってから一貫して下落しており、総合インフレ率を押し下げている。

ただ、コアインフレ率はほとんど鈍化していない。

賃金コストの急上昇と賃料上昇によって、サービス価格の上昇傾向が強まっている。

全体のサービス価格は3.7%上昇。賃料は2.1%上昇した。

一方で、モノの価格は1.0%上昇と、全体のインフレ率を下回っている。

パンテオン・マクロエコノミクスのユーロ圏チーフエコノミスト、クラウス・ビステセン氏は「イースター(復活祭)の影響が反転するため、サービスインフレは4月に大幅に後退する」とし、これによりコアインフレ率は大幅に低下するとの見方を示した。

ECBは11日に開いた理事会で、主要政策金利を予想通り据え置いた上で、声明に新たな文言を盛り込み、近く利下げに踏み切る可能性を示唆。6月にも利下げを開始するとみられている。

© ロイター