Andy Bruce
[ロンドン 12日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が12日発表した2月の国内総生産(GDP)は前月比0.1%増加で、ロイターがまとめたエコノミスト予想と一致した。2カ月連続で増加し、昨年後半に陥った浅いリセッション(景気後退)から脱却する兆しを見せた。
1月分は0.2%増から0.3%増に上方改定された。
2月までの3カ月間は0.2%増と1月の0%から加速し、昨年8月以来の高い伸びとなった。
第1・四半期の成長率はイングランド銀行(英中央銀行)の予想である0.1%をわずかに上回る見込みで、中銀は利下げに慎重な姿勢を強める可能性が高い。
ハント財務相は、経済が好転しつつあるという歓迎すべき兆しだと指摘した。
ONSは前月のデータに修正がなければ、3月のGDPが1%程度急減しても景気後退を免れるとしている。
GDPは増加に転じたが、景気後退に入る前の2023年6月の水準を下回り、22年初め以降、ほぼ横ばいで推移している。
会計士団体ICAEWの経済ディレクター、スレン・ティル氏は「リセッション懸念はバックミラーから消えつつあるが、より長期の見通しは依然厳しい。利上げの遅れた影響と供給サイドの慢性的な制約が成長を抑え続ける可能性が高い」と述べた。
2月のGDPは前年比で0.2%減少。エコノミストの予想(0.4%減)より小幅なマイナスにとどまった。
GDPの大半を占めるサービス部門は前月比0.1%増で予想と一致した。製造業は予想を上回る1.2%増だった。建設業は1.9%減で、1年余りぶりの大きな落ち込みだった。