ダム水没の村が建設容認へ 熊本・川辺川、半世紀迷走の末

川辺川ダム建設に伴う水没予定地周辺。右上は、高台の代替地に移転した集落=2023年6月、熊本県五木村(ドローンから)

 国土交通省が熊本県の川辺川に計画中の流水型ダムを巡り、水没予定地を抱える同県五木村が建設を受け入れる方針を固めたことが12日分かった。地域振興策や環境への影響に関する見通しが一定程度ついたためで、木下丈二村長が21日の村民集会で、容認を前提とした村づくりについて説明する。構想から半世紀以上が経過した大規模公共事業が実現へ動き出す。

 木下氏は12日、取材に応じ「いろんな状況が整ってきたので、早く新たなスタートを切るべきだ。早く村民が安心して将来を描ける判断をしたい」と話した。

 ダムを巡っては、国が1966年に球磨川の治水策として計画を発表。賛成派と反対派の間で対立が続いた。

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