今田美桜は「杏」、篠原涼子は「古畑任三郎・田村正和さん」4月期“二大復刻ドラマ”の敵は「過去の伝説」

今田美桜、篠原涼子(C)ピンズバNEWS

4月1日に放送され「26年ぶり復活!」と注目を集めた反町隆史(50)主演のドラマ『GTO リバイバル』(フジテレビ系)や、今秋に12年ぶりに新作映画が公開される『踊る大捜査線シリーズ』(フジテレビ系)――このところ映像業界では、リバイバルブームが訪れている。

「大ヒットした昔の名作の“続編”やしっかりとしたリメイクなら、すでに作品自体が多くの人に知られているわけで、多くの人が興味を持ってくれますからね。

4月クールも“復刻ドラマ”、そして過去作に大きな影響を受けているドラマが、日本テレビとフジテレビで1本ずつあります。日テレは過去のヒット作のリニューアル。フジはオリジナルではありますが、同局の不朽の名作を強く想起させる作品です」(ドラマ制作会社関係者)

その作品とは、4月13日スタートの今田美桜(27)主演作『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系/土曜夜9時~)、と、同月12日スタートの篠原涼子(50)とバカリズム(48)のダブル主演ドラマ『イップス』(フジテレビ系/金曜夜9時~)である。

『花咲舞が黙ってない』は、国民的ドラマ『半沢直樹』(TBS系)で知られる池井戸潤氏の小説が原作。メガバンク・東京第一銀行の臨店班・花咲舞と相馬健のコンビが銀行内のさまざまなトラブルを解決していくというストーリーである。

2014年4月クールと翌15年7月クールに杏(37)が主演、上川隆也(58)が相棒の相馬役を演じた平成版は、両シーズンとも高視聴率を記録した。

今回の“令和版”の主演である今田は、制作発表会見で杏主演の平成版に触れ、「正直プレッシャーがなかったかと言われると、あります」とコメントしている。

また、相馬役が山本耕史(47)に変更された一方で、上川は舞の叔父・花咲健役で引き続き出演する。

令和版のプロデューサーが平成版では助監督だったことから、上川に「あらためてドラマ花咲舞を作りたい」と相談に来て上川も出演を希望した結果、「舞の叔父さんという立ち位置に自然と落ち着きました」(上川)という経緯が、今回のキャスト発表時に明かされている。

■花咲舞にピッタリだった杏

「杏さんの実年齢と20代後半の“花咲舞”とが合わなくなったこと、そして、彼女が今、フランスで生活していることから、令和版の主演をするのは現実的ではない、ということだったのではないでしょうか。

今田さんは予告映像で見せた力強い眼差しや“お言葉を返すようですが!”の言い方など、前評判は悪くないですが、キリッとして強いイメージのある杏さんとは逆に、童顔で可愛い系のルックスのため“役に合わないんじゃないか”という意見もありますよね。杏さんの花咲舞はまさにハマり役だった。だからこそ、今田さんはプレッシャーを感じているのでしょうね」(前出の制作会社関係者)

一方の篠原が主演する『イップス』は、過度なプレッシャーで実力が発揮できない「イップス」に陥ってしまったミステリー作家の黒羽ミコ(篠原)とエリート刑事の森野徹(バカリズム)がバディを組んで事件に挑むオリジナル作品。

脚本はバナナマンと親交が深く“第3のバナナマン”とも言われるなど、芸人界、バラエティ界では絶大な信頼を置かれている作家・オークラ氏と、元お笑い芸人の森ハヤシ氏が務める。

「言わずと知れた実力派俳優の篠原さんと、お笑い以外でも多彩な才能を爆発させているバカリズムさん。2人が会話術だけで犯人を追い詰めるという、非常に面白そうな設定のドラマですよね。

バカリズムさんは昨年1月クールに脚本を担当した安藤サクラさん(38)主演の『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)が国内外で高く評価されるなど絶好調で、常に“面白いものを作ってくれそう”という期待感を抱かせる特別な存在。オークラさんはバカリズムさんとも旧知の仲ですから、良さを引き出してくれるはずです」(前同)

『イップス』はオリジナル作品だが、最初に視聴者に犯人を明かし、その犯人が徐々に追い詰められていく流れを描く、“倒叙式”と呼ばれるジャンルの作品である。

「フジテレビのミステリードラマで倒叙式といえば田村正和さん(享年78)主演の『古畑任三郎』シリーズ(1994年4月期、96年1月期、99年4月期)があまりにも有名ですよね。毎回超豪華なゲスト俳優が犯人役として出演し大ヒットした、三谷幸喜氏(62)脚本の名作です。『イップス』公式の告知文も、『古畑』への強いリスペクトを感じさせます」(同)

■田村正和さんと西村まさ彦の名コンビ

『イップス』を制作している関西テレビは公式メディア『カンテレTIMES』で、

《『古畑任三郎』(1994年ほか、フジテレビ系)などをほうふつとさせる倒叙式の構成となっている、多彩な顔触れとなる犯人には毎話豪華ゲストが登場する予定》

と、『イップス』を紹介。ちなみに第1話の犯人役はトリンドル玲奈(32)と明かされている。

「似た構成の作品になるため、『イップス』の制作陣は事前に『古畑』の制作サイドとも話をしたというのが聞こえてきています。

“倒叙もの”では、日本では『古畑』が有名ですが、『古畑』自体も同じスタイルで人気となったアメリカドラマ『刑事コロンボ』(1968~78年)の影響を受けて作られた作品ですよね。

そんな『古畑』は、まさに“古畑任三郎”にしか見えない田村さんの物凄い存在感と、“ヘッポコ刑事の今泉くん”役の西村まさ彦さん(63)の名演技もあり、本当に面白い伝説の作品。それだけに、『イップス』の篠原さんとバカリズムさんも、比較されてしまうところはありそうです」(前出の制作会社関係者)

『花咲舞』は杏の平成版、『イップス』は『古畑』――4月期の2つの話題のドラマには、どちらにも“レジェンド級に強力な過去作”が存在することから、

《今田美桜好きだけど花咲舞は杏のイメージ強すぎてなぁ、、、、なんでキャスト変えて同じ作品やるんだろう前作と絶対比べちゃうんだからやめてほしいよー》
《花咲舞が黙ってないは、杏ちゃんだからと思ってたけど、今田美桜なら許せる!見たい!》
《犯人ネタバレかつこでこぼこバディ令和の古畑任三郎誕生の予感しかない》
《見る気しないよなぁ。古畑に失礼じゃ》

といった声がX(旧ツイッター)に寄せられている。

「賛否の声はありますが、今田さんは数々のヒットドラマに出演し、2020年度版の『半沢直樹』で池井戸作品も経験済みで、その実力は間違いない。多数の大ヒット主演作を持つ篠原さんの実力は言うまでもないし、さらにバカリズムさんが脚本のオークラ氏がキャラを自身に寄せてくれていることを制作発表で明らかにしていて、それも面白そうですよね。

両ドラマとも“過去の伝説”に負けない、しっかりと面白い作品になるのではないでしょうか」(前同)

過去の伝説作品のイメージと相対する今田と篠原。2人の実力派女優は、令和の新ドラマを成功に導けるか。

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