タンタン追悼式、ライブ配信も 国内最高齢で死去、24年の感謝込め 王子動物園で5月10日

神戸市民に愛された「タンタン(旦旦)」=2020年6月、神戸市立王子動物園

 神戸市は12日、28歳で死んだ市立王子動物園(神戸市灘区)のジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」を追悼する式を5月10日に同園で開くと発表した。メモリアルムービーの上映などがあり、抽選で100人程度の一般参列を受け付ける。一般参列の応募方法は後日、改めて発表する。

 タンタンは2000年7月、日中共同飼育繁殖研究を目的に、中国から雄の初代「コウコウ(興興)」と来日。阪神・淡路大震災からの復興を目指す市民を元気づける存在となった。

 21年に心疾患が判明し、懸命な治療が続けられたが、今年3月31日深夜に死んだことが確認された。心疾患に起因する衰弱死とみられる。28歳は人間でいう100歳近くに相当し、国内最高齢だった。

 追悼式は5月10日午後2時からで、会場は同園動物園ホール。タンタンの生前の様子をまとめたメモリアルムービーが流され、最後まで寄り添った飼育員らがお別れのメッセージを贈る。一般参列者の献花も予定している。参列できない人に向けてライブ配信を行うという。

 久元喜造市長は12日の会見で「まさに動物園の顔で、かわいらしい姿がいまも目に浮かぶ。市民と歩んでくれたタンタンにあらためて感謝したい」と述べた。

 同園によると、タンタンは死後、中国へ返還する契約で時期や方法を協議する。久元市長は同園に対する新たなパンダの貸与について「以前から中国に新たなつがいの提供を希望してきた」としつつ、「いまはまだ在りし日のタンタンをしのび、今後の方針は市民の意見を聴いていきたい」と語った。(井沢泰斗)

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