日々変化していくネットメディア。この10年で何が大きく変わった?

4月12日「長野智子アップデート」(文化放送)、午後4時台「ニュースアップデート」のコーナーでは、ハフポスト日本版初代編集長・メディアコンサルタントの松浦茂樹さんを招き、この10年でネットメディアはどのように変化したのかを解説してもらった。

長野智子「これまでの変化でいちばん大きかったことって何でした?」

松浦茂樹「変化で言うんだったら、ソーシャルメディアがちょうど2014年が一番盛り上がってた時代なんですよね。だからハフィントンポストでみんなに伝えるっていうところが、意見がすごく集まりやすかったんですよ。良質な情報も埋もれずに出るような状況だったんですね。プラットフォームといわれているフェイスブックとかツイッター(現・エックス)とかも、ブレンドして良質な情報もそうでないものも面白いネタも含めて伝わるような環境下だったんですけど、いまはどっちかっていうと(意見を)偏らせるほうがメインなんですよね」

長野「偏り……そうですよね」

鈴木敏夫「そういう時代になっちゃいましたね」

松浦「どんどん自分が好む情報ばっかりあたるような形になってきちゃってるっていうのがあるので。当時はだから新しい情報だったので、新しい情報を入れたらすなわちアップデートっていう形になったんですけど、いまだとアップデートになりにくいんですよね。同じ情報というか欲しい情報ばっかり入っちゃうような状況ですね」

鈴木「じゃあ意見も極端に分かれていく?」

松浦「分かれちゃうかなぁ、っていうところがあるんですよ。それでいうと、自分とはちょっと違うなっていう視点っていうのが少し取り組みにくくなった時代かなともいえるんですよね」

長野「いま言ったみたいにアップデートが本当にしづらい時代になってしまったっていうね、それは大きな変化でしたね。こういう部分っていうのは少しずつ改正しようという動きはあるんですか?」

松浦「でも結局、情報が流通するところに広告ってあたって、多くの広告を見てもらうっていうビジネスじゃないですか。そしたらコミュニケーション量が多ければ多いほどいい。それを考えるとやっぱり自分の好きな情報ばっかりにあてるような形になっちゃうので、いま広告メインでやってる限りは、そんなに簡単には変わらないかなっていうのはありますね」

長野「蛸壺(タコツボ)現象みたいになってるわけでしょ?みんな自分好みの情報の中に閉じこもって他の意見を聞かないみたいな。これを抜け出すためにはどうすればいいんだろう?」

松浦「これはやっぱり情報リテラシーっていう言葉でいうと、もちろんフェイクニュースにあたらないとかそういうのもあるんですけど、能動的に情報を探しに行くっていうことを意識的にやらなければいけない。フェイスブックを通じてじゃなくて、エックスを通じてじゃなくて、直接情報にあたりにいくっていうことを、聞き手なり読み手なり表現方法ありますけど、ユーザーがそれぞれ情報を直接届けられるような場所に行くことっていうのを啓蒙していくしかないかなっていう感じですね」

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