水原容疑者「大谷が拒否している」 搾取に使った銀行口座のアクセスを何度も断る、会計士も内容把握できず

水原一平容疑者【写真:ロイター】

連邦当局が水原氏を銀行詐欺容疑で訴追

米司法省は11日(日本時間12日)、米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手の通訳を務めた水原一平氏を銀行詐欺容疑で訴追したと発表した。大谷から1600万ドル(約24億5000万円)超を搾取した疑いがあり、銀行口座には会計士すらアクセスできない状況だったよう。

司法当局が公開している訴状によると、水原容疑者は、2018年に大谷が米国に移住した際、エンゼルスから給与が振り込まれる銀行口座の開設を手助けした。水原容疑者は2021年9月にギャンブルの胴元と賭博を始め、2年余りの間に総額4067万8436ドル(約62億3320万円)の損失を出したとされている。胴元への送金の際に、水原氏は大谷の銀行口座を使用していた。

訴状によると、大谷は水原容疑者に口座の管理権を与えたことはないと話したと言うが、代理人を務めるネズ・バレロ氏は、大谷の銀行口座へのアクセスを求めたものの、水原氏は「プライベート」を保ちたいとして大谷が拒否していると伝えていた。

バレロ氏が雇用し、大谷の納税を担当する経理事務員も、口座へのアクセスを要求。大谷が拒否していると水原容疑者に伝えられたとし、バレロ氏から断られたという。その際、バレロ氏からは口座は金利も贈与も発生していないと伝えられたとした。同じくバレロ氏側の大谷の米国内でのファイナンシャルアドバイザーも口座の情報を求めるも、同様の対応だったという。

さらに、バレロ氏が雇用し、大谷の会計を担う会計士は2022年10月、大谷と水原容疑者とのミーティングの予定があったが、現れたのは水原氏のみで、大谷は体調が悪く来られないと水原容疑者から伝えられた。そのミーティングの最中、会計士は水原氏に大谷の口座について質問するも、バレロ氏にしたのと同様の説明で金利も贈与も無いと説明されたという。

訴状によると、水原容疑者は同年2月、銀行員を騙して大谷の口座から胴元への送金を許可させた電話記録も残っており、23年6月20日に胴元の関係者に50万ドルが送金された具体的な内容も記載されていたという。

THE ANSWER編集部

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