甦る“ヤング・リーズ”との激闘!イングランド8部に伝説『Dr. Martens』ユニフォームの復刻版が登場

今季はイングランド8部相当のノーザン・プレミアリーグ・ディヴィジョン1に所属するラシュデン・アンド・ダイヤモンズ。

このチームは1990年代から2000年代初頭にかけて、人気シューズブランド「Dr. Martens(ドクター・マーチン)」のロゴマークを胸に付けた、サッカー界で数少ない存在の一つだった。

Dr. Martensロゴは2004-05シーズンが最後となったが、このロゴを蘇らせた1998-99シーズンの復刻版ユニフォームが10日、クラブとサプライヤーMacronから発表となり、密かな話題となっている。

1998-99モデルは、クラブがFAカップ史にその名を刻んだ伝説チームのユニフォームだ。

Rushden and Diamonds × Macron 1998-99 Retro Jersey

ラシュデン&ダイヤモンズ × Macron 1998-99 復刻レトロユニフォーム

5部リーグに所属していた1998-99シーズン当時のユニフォームの復刻版。オリジナルのサプライヤーはベルギーのスポーツブランドOlympic Sportswearだったが、今回は現サプライヤーのMacron(イタリア)による復刻で、同ブランドのロゴ入りとなっている。

90年代の雰囲気漂うデザインと胸ロゴのDr. Martensが目を引き、人気のレトロファッションにも使えそうなユニフォームだ。

今回復刻されたのは、ホワイト基調のホームとイエロー基調のアウェイ。どちらも一部デザインが異なるが、全体的にはOlympic時代の特徴をよく再現できている。

こちらが98-99シーズン当時のユニフォーム。復刻版は襟部分が若干異なるが、可能な限りオリジナルを忠実に再現したのだろう。

ラシュデンは2つのクラブの合併によって1992年に誕生しているが、この2クラブは故マックス・グリッグス氏によって買収され、そして合併を行っている。

マックス氏は当時Dr. Martensのオーナーだった大物実業家で、下部リーグのクラブが分不相応ともいえる人気ブランドの胸ロゴを付けることが出来た理由でもある。

このラシュデンは98-99シーズンのFAカップで、ちょっとした記録と強烈な記憶を残すチームとなる。今回の復刻版発売にもつながる、リーズ・ユナイテッドとの伝説の一戦だ。

5部リーグ所属のラシュデンは1998-99シーズンのFAカップ4回戦で、当時プレミアリーグに所属していたリーズ・ユナイテッドと対戦した。プレミアやUEFAのコンペティションで旋風を起こし“ヤング・リーズ”と恐れられていた、あのチームだ。

1999年1月2日にラシュデンのホームで行われた試合は圧倒的不利という下馬評を覆し、なんと0-0で引き分けている。勝利ではないが、当時のリーズとラシュデンの力量差を考えれば、この結果は正しく快挙だった。

ちなみのこの試合での観客数は6,431人(キャパシティは6,441人!)。これはクラブ史上最多であり、現在までこの記録は破られていない。

歴史的な引き分けから11日後の1月13日。FAカップのルールにより、両者はリーズの本拠地エランド・ロードで再試合を行う。その試合はなんとラシュデンが先制に成功し、またも人々を驚かせた。

最終的にはアラン・スミス(2得点)とジミー・フロイド・ハッセルバインクのゴールにより、地力に勝るリーズが3-1で逆転勝利となったが、プレミアの強豪と再試合に持ち込んだ5部クラブの健闘は大きな話題を呼び、そして称賛された。

なお、この再試合では約3,000人ものラシュデンサポーターがエランド・ロードに押しかけたという。

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Dr. Martens社がロゴマークの使用を許可したことで、よりオリジナルに近づけることが出来たという今回の復刻版。

98-99モデルはファンの復刻希望リクエストが最も多かったユニフォームとのことで、ラシュデンのサポーターにとっては文字通り待望の“再登場”となった。

2つの復刻ユニフォームは限定生産品となり、5月5日までクラブのオンラインストアで予約を受け付け中。細かな金額は不明だが、売り上げの一部はクラブの活動資金に充てられるという。

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