深沢高、最後の入学式 3年後に藤沢清流と統合 鎌倉市

真新しい制服に身を包む199人の新入生=8日・深沢高

深沢高校(手広)で4月8日、「最後の入学式」が行われた。県の少子化対策の一環として、深沢高は3年後の2027年度に藤沢清流高校と統合し、新校を開校する。統合の準備に向けて、深沢高での来年度以降の入学生募集を停止。今年入学した199人の新入生は、最後の深沢高生として卒業までを同校で過ごす。

深沢高の統合が発表されたのは、2022年9月。少子化対策に伴う県立高校改革実施計画の一環で、27年度までに10校を5校に再編・統合する対象校となった。

深沢高は、対象校に選定される前の数年間で募集定員を満たしていたものの、他校に比べて規模が小さいことが統合の指標の1つになった。今回をもって入学生の募集を停止し、統合後の27年度には藤沢清流高校の敷地と設備を活用し、新校を開校する。深沢高の跡地活用と新校の学校名は未定。

変わらない雰囲気で

1986年に開校した深沢高は、昨年度までに7835人が卒業。最後の入学生となる199人の新入生は、真新しい制服に身を包み、緊張した面持ちで8日の入学式に臨んだ。

新入生代表のあいさつを務めた遠洞奈緒さんは、姉と同じ深沢高を選択。「アットホームな雰囲気に惹かれて深沢高を選んだ。自分たちの代も先輩たちのように過ごせたら良いな」と期待を膨らませる。同じく新入生の石合渚さんは、小田原市内から1時間かけて通学。「後輩が入ってこないのは残念だけど、最後の代として結束を深めたい。みんなでわいわいできれば」と話した。

市内で2例目

鎌倉市内の高校が廃合するのは、2003年の大船工業技術高校(岡本)と藤沢工業高校の統合以来2例目。県では今後、県内で10校以上の削減を見込んでおり、公立中学校卒業予定者の動向を見極めつつ段階的に実施するとしている。

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