廃校舎を活用 男鹿市にパックご飯の工場

県内では2002年から2020年までの18年間に、236校が廃校となりました。新たな使い道が決まらず、解体にも多大な費用がかかることから、そのまま放置されている校舎が各地に存在しています。こうした中、男鹿市の小学校だった場所が、市場が急拡大しているパックご飯工場に生まれかわることになりました。農業産出額の向上にもつながると、関係者の注目を集めています。

廃校を活用した立地協定を男鹿市と締結したのはパックご飯の製造会社「ジャパン・パックライス男鹿」です。会長を務める大潟村の涌井徹さんは4年前、コメの生産農家として全国で、初めてパックご飯事業に乗り出した、いわばフロントランナーです。

新たなパックご飯の工場となるのは、男鹿市の旧野石小学校の廃校舎です。2年後=2026年夏ごろの稼働が予定されています。1時間あたりおよそ1万食、年間で5500万食のパックご飯を生産するということです。炊飯工程の建屋は校庭だったところにつくりますが、それ以外は校舎や体育館をそのまま工場や倉庫に生まれ変わらせる計画です。

今回の取り組みについて男鹿市は、廃校の利活用に留まらず、農業振興にもつながると大きな期待を寄せています。

パックご飯工場の建設費は機械の導入なども含めて39億円余りで、このうち17億円はコメの輸出拡大を後押しする国の補助金などが活用されます。

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