女子テニス国別対抗戦、大坂なおみと日比野菜緒がそろって勝利!ファイナル進出に向けて日本が王手【BJK杯/大会1日目】<SMASH>

女子テニスの国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップ」(元フェドカップ/以下BJK杯)のファイナル予選、日本対カザフスタン戦が東京・有明コロシアムで開催。大会1日目となる12日は、日比野菜緒(世界ランキング79位)と大坂なおみ(同193位)がシングルスに登場。ともにストレートで勝利を飾り「BJKファイナル」進出に向けて王手をかけた。

試合は2日間にわたり、両国のシングルス1と2の選手が総当たりで対戦。先に3勝したチームの勝利となるが、2勝2敗で星を分け合った場合は、ダブルスに両国の命運が委ねられる。

この日の第1試合は、日比野(世界ランク79位)対アンナ・ダニナリ(939位)。「すごく緊張した」という日比野だが、巧みな配球でコートを広く使いながらダニナリにペースをつかませず。第1セットは、第1ゲームから一気に5ゲームを連取。第6ゲームで相手のサービスキープを許したが、それでも6-1で振り切る。

日比野優位の流れは第2セットに入っても変わらず。第1ゲームでサービスブレークに成功すると、そのままアクセルを緩めることなく戦い抜き、6-0と圧倒して日本に1勝目をもたらした。

「攻守のバランスが良く、チャンスがあればネットに出るという今自分が取り組んでいることができるようになった」と試合後、日比野は安堵の表情を浮かべた。
そして満を持して登場したのが今季から戦線復帰を果たした大坂だ。

対戦相手のユリア・プチンツェワ(同50位)には1勝3敗と戦績では負け越しているが、この日の大坂には関係なかった。「ここ(有明)の速いサーフェスだと彼女のサービスを攻略するのは非常に難しい」とプチンツェワが試合後に嘆いたように、大坂は時速190キロを超える高速サービスを要所で決めてゲームの流れを渡さず。

また、復帰に向けて強化してきたというリターンも冴え、第1セットは第6と第8ゲームでサービスブレークに成功し6-2でもぎ取る。「試合前、そして試合中も緊張が続いていた」と試合後に明かした大坂だったが、それでも「勝利までのステップをこなせた」の言葉通り、第2セットはタイブレークへともつれ込むも相手の追撃を許さずに7-5。日本に2勝目を引き寄せた。

杉山愛監督は試合後、「2人とも素晴らしいプレーをしてくれた。(大会)初日に2勝をつかむことは我々にとっては本当に大きな勝利だと思うので、いい流れで2日目を迎えられることを幸せに思います」と笑顔を見せた。

なお、大会最終日となる13日は、第1試合に日比野対プチンツェワ、第2試合に大坂対ダニナリが組まれている。果たして日本はこの2試合で勝負を決めるのか。あるいはダブルスまでもつれ込むのか。日本がカザフスタンに勝利すれば、世界上位12チームによって実施される「BJK杯ファイナル」(スペイン)への参戦権が与えられる。

◆BJK杯1日目結果
〇日比野菜緒 61 60 アンナ・ダニナリ●
〇大坂なおみ 62 76(5) ユリア・プチンツェワ

取材・文●小松崎弘(スマッシュ編集部)

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