がんステージ4公表の西村修、病室は「ファーストクラスの居心地」 SANADA「お元気でびっくり」

点滴を受けながらSANADA(左)と話す西村修【写真:ENCOUNT編集部】

抗がん剤治療始まる 大きな副作用はなし

食道がん(扁平上皮がん)ステージ4と診断されたプロレスラーで文京区議会議員の西村修が12日、都内の病院で現在の容体を明かした。

西村は11日から抗がん剤治療を開始。右腕から点滴する形で5日間(120時間)、抗がん剤を注入する。食事制限はなく、病室からの移動も可能で、この日はお見舞いに訪れた新日本プロレスの前IWGP世界ヘビー級王者・SANADAと院内で対面した。

抗がん剤投与後の副作用については、「全くゼロじゃないけど、酩酊(めいてい)しているような感じはある。フワッとした」と説明。「過去3か月は痛みと夜の尿意が激しくて寝ても2~3時間ごとに起きていたけど、抗がん剤の中に炎症止めも入っているというので、もしかして効いているのか、痛みが軽減している。昨日初めて痛み止め飲まなくて夜は熟睡できました」と話した。

心がけているのは体力の維持。抗がん剤治療は6クールにわたって予定されており、闘病は始まったばかりだ。痛みの影響でトレーニングができず、入院前に体重は3キロ減った。病院食だけでは足りず、妻からのおにぎりの差し入れやフルーツを取り、体重が減らないように気をつけている。

「筋力が落ちちゃうから一生懸命院内を歩くようにしています。体重が落ちないように必死になって食って。いつ食えなくなっちゃうか分からない。副作用がきついの来るでしょうから」

軽く運動する以外は、1日中ベッドで点滴をしながら映画やYouTubeを見て過ごしている。

「動かないし、揺れないし、どこにも行かない。さらには酒も出ない。病院の居心地というのはファーストクラスの居心地。ちょっとトイレに行くにもぞうり履かなきゃいけないでしょ。隣の人のいびきも聞こえるし。ベッドはフルフラットになる。テーブルを出せば映画はいつでも見れる。横には常に飲み物もある。それを思い出します」と独特の言い回しで表現した。

かつて米フロリダ州タンパに住み、世界中を飛び回っていた西村。

「病院からは羽田沖の景色が見える。2~3分に1回飛行機が飛んでくる。飛行機に乗っている感じですよね。ニューヨークとかシカゴには連れていってほしいけど、お願いだから天国には連れていかないでほしい」と冗談交じりに続けた。

うなぎを差し入れたSANADAは、普段と変わらない西村の表情に、「お元気でびっくりしました。ファーストクラスに乗っているという発想は出てこない。全部プラスに変えているのがすごい」と安堵(あんど)。「生命力がすごい。今日も見て強すぎるオーラがあるので、大丈夫だと思っている。全部をポジティブに変えているのでこのまま頑張ってほしい」とエールを送った。

西村は「全日本のとき毎日一緒にいて、一番かわいがった仲間。仲良しの仲間が来てくれると元気出ますよね。シャキっとしなきゃいけないから。彼には服装から何から一流とは、国際人とはを教えてきたつもり。世界どこにいってもファーストクラスになってほしい。フレッシュマンのさわやかさがSANADAさんの取りえですけど、中年に向かうかっこいい魅力というのをチャンピオンから離れてまた修行してほしいですね。ウイスキーのように寝かせた大人のプロレスを見せてほしい」と笑顔で返した。

病院食だけでは足りないという【写真:本人提供】

がん公表で届いた激励「自分だけの命じゃない」

がんステージ4を公表して3日。

西村の元には「必ず乗り越えれます!」「絶対治して戻ってきてほしい」など激励の声が殺到している。

「『また復帰してください!』というのが8割9割。それだけでも自分だけの命じゃないんだっていう気分になりますよね。子どものため、家族のためというのがさらに広がって、こんなに待ってくださっているファンがいる。まだまだ死ねない」と決意を新たにしていた。ENCOUNT編集部

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