贈与税の対象は金銭以外も含まれる
贈与税は、個人から財産をもらった時に、受け取った人が支払う税金です。贈与税の対象となる財産としては、金銭はもちろんですが、預金や株などの金融商品や土地、そして車など多くのものが対象となります。
とはいえ、贈与税には「基礎控除」という非課税枠があります。具体的には、基礎控除は1年間につき110万円ですので、1月から12月までの間に贈与を受けた財産の価額が110万円までであれば、贈与税はかかりません。
5年間乗ったプリウスを贈与された場合、贈与税はかかるのか?
贈与を受けた財産の価額が「110万円を超える場合」、贈与税が発生します。これは新車を買ってあげた時に限らず、車の名義を親や祖父などから自分に変えた場合でも、名義が自分になった時点で贈与とみなされます。
つまり、贈与を受けた時点での車の査定額が110万円を超える場合、超える部分には贈与税が課税されます。
それでは、5年間乗ったプリウスを譲り受けた場合、贈与税はかかるのでしょうか。車の査定額は年式だけでなく、グレードや走行距離、車の状態など、さまざまな要素によって決まります。そのため、5年前に購入したプリウスの現在の査定額はケース・バイ・ケースです。
そのため一概にはいえませんが、仮に祖父が5年前にプリウスを新車で購入したとすると、2019年製です。中古車販売を取り扱うグーネットで2019年製のプリウス/プリウスPHVを検索すると、1326台が見つかりました。そして、車両本体価格順に並べると、ほとんどが110万円を超えています(2024年3月23日時点)。
もしも祖父が5年前に新車でプリウスを購入していると、多くの場合は現在の査定額も110万円を超え、贈与税がかかると言えるでしょう。
査定額よりも安い金額で購入した場合でも贈与税がかかる場合がある
車をもらうのではなく、通常よりも安い金額を親族に支払って自分のものにする場合もあるでしょう。そのような場合は、査定額から支払額を引いた金額が贈与財産とみなされます。
例えば、査定額が200万円の車を50万円で譲り受けた場合、差額の150万円が贈与財産ですので、この場合は贈与税が発生します。
贈与税を抑える方法
車の譲渡や安い金額での購入による贈与税を抑えるには、贈与税の基礎控除である110万円を利用する手段があります。
例えば、車をすぐに譲り受けずに、査定額が110万円以下に下がったタイミングでもらえば、贈与税はかかりません。
また祖父から車を購入した後、毎年110万円以下の金額を親や祖父母から支援してもらうという手もあります。ただし、毎年同じ金額を贈与され続けた場合、元々まとまった金額を贈与しようとしたと判断され、贈与税が発生する場合もあるので注意が必要です。
まとめ
祖父が5年前に購入したプリウスを譲り受けた場合、贈与税がかかる場合もあります。祖父には譲ってくれた感謝を伝えるとともに、払うべきものはしっかりと払いましょう。
出典
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4423 個人から著しく低い価額で財産を譲り受けたとき
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー