広島市の職員研修に「教育勅語」の一部が引用されていることについて、松井一実 市長は「意図を正しく理解してもらうため、ことしは現在の憲法も引用した」と説明しました。
松井市長は、今月8日に行われた市職員の新人研修で、ことしも「教育勅語」の一部を引用して講話をしました。
「教育勅語」は教育の基本などに関する明治天皇の言葉です。松井市長が引用したのは博愛や社会のために尽くすことなどを説く部分ですが、「現在の憲法で定めた国民主権と矛盾する」などとして、被爆者団体などから中止を求める声が上がっています。
松井市長はことし、「教育勅語」に加えて、国民主権の根拠が書かれた憲法の前文なども新たに引用していましたが、その意図について12日の定例会見で次のように説明しました。
広島市 松井一実 市長
「私自身は、公務員としてきちっとした考え方、憲法を踏まえた考え方を持って、いろんな意見を言っている方に対して、このように判断していると示したい」
松井市長は、「教育勅語」について今年度以降も引用すると明言しています。