盗塁王の遊撃手、152キロ右腕、経験値増す司令塔…「大学侍」候補3人に注目! 福岡六大学野球13日から熱戦

大学日本代表候補入りした(左から)九共大の稲川と笹原のバッテリー、九産大の浦田

九州六大学野球と福岡六大学野球の春季リーグ戦(ともに西日本新聞社後援)が13日に開幕し、各リーグの優勝校に与えられる全日本大学野球選手権(6月10日から7日間、神宮など)出場を目指し、熱戦が展開される。注目は福岡六大学の「大学侍候補」。昨年12月に行われた大学日本代表候補合宿に同連盟から九産大の浦田俊輔(4年・海星)、九共大の笹原愛斗(4年・真颯館)、稲川竜汰(3年・折尾愛真)の3人が参加。全国大会の舞台でさらなるアピールをするため、3人は意欲を燃やしている。

福岡六大学は3季連続優勝を目指す九産大と、3季ぶり制覇を狙う九共大に、福工大や日経大が絡み激しい優勝争いが繰り広げられそうだ。

九産大で昨春から不動の1番に座る浦田が打線を引っ張る。昨秋は15盗塁で盗塁王とベストナインを獲得。走攻守三拍子そろった遊撃手として大学日本代表候補に選ばれ、昨年12月に愛媛県松山市で行われた代表候補合宿に参加した。紅白戦では盗塁を決めるなど猛アピール。「足は見せられたけど、打撃面ではまだまだだった」と今春のリーグ戦で進化を見せる。

俊足を生かし本塁に滑り込む九産大・浦田

合宿には2月の欧州戦でプロに交じって侍ジャパン入りした明大の宗山ら全国のトップ選手が集結。「普段は味わえない緊張感があっていい経験ができた」。張り切りすぎて最終日の3日目は「2日間で体力を使い果たしてしまって体が動かなかった」と50メートル走で自慢の足を見せることができなかったという。

体力不足を痛感した浦田は合宿後にウエートトレーニングに励み、リーグ戦終盤も走り抜くために必要なハムストリングスを鍛えた。「リーグを通してやれる自信がつきました」。開幕前のオープン戦は20試合以上フル出場。「自分が結果を出せばチームを勝たせることができるので。開幕が楽しみです」と開幕から最終戦まで全力で頂点をつかみにいく。

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九共大は代表候補バッテリーが引っ張る。3年生ながら大学日本代表候補合宿メンバーに選ばれた稲川は2月の欧州戦で侍ジャパン入りした愛知工大の中村とキャッチボールをした。「すごい球でレベルの違いを感じました」。大きな刺激を受け、合宿では自己最速を更新する152キロをマークしたという。

適時打を放つ九共大・笹原

2年から正捕手としてマスクをかぶる笹原は合宿の経験を「参加している選手にキャッチングの意識なども聞いてすごくいい経験ができた」と技術向上に役立てている。昨年は1学年上の選手が中心だったが、最終学年となり、「去年の3倍も4倍も周囲を見るようになった」と司令塔として全体を見渡していく。

右膝を痛めた稲川は少し出遅れそうだが「うちの中心は笹原と稲川」と上原監督が期待する2人がV奪回の鍵。1敗が命取りになる激しい戦いを勝ち抜いていく。
(前田泰子)

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