マスターズの刺激を胸に頂点へ 比嘉一貴、九州でつかんだ栄冠「また戻りたいな、という気持ちに」【ゴルフ・トヨタカップオープン】

初優勝した比嘉一貴

ゴルフの九州サーキット、第26回トヨタカップオープン(西日本新聞社など後援)は12日、福岡県宗像市の玄海GC(6859ヤード、パー72)で最終日が行われた。プロ、アマチュアの計101選手が出場し、初日に9アンダーで単独首位につけていた比嘉一貴(フリー)がスコアを二つ伸ばし、通算11アンダー、133で回って初優勝した。2位は2打差の中島邦宏(ホームテック)、3位には古島壮(信楽CC)が入った。ベストアマは通算2アンダーの村松陸(日経大)が受賞した。

抜群の安定感で逃げ切った。比嘉は2位と3打差でスタートした優位な状況を生かして、コースが改造されたばかりの玄海GCで堅実なゴルフを展開。「自分がスコアを落とさなければ優勝できると考えた。勝ちにいくゴルフをした」。ボギーはわずか一つにとどめ、最後まで首位を守り切った。

1年前のこの時期は、米国で開催されたマスターズ・トーナメントに出場していた。当時は力を発揮できず、予選落ちと悔しさを味わったが、世界トップレベルの大舞台から刺激を受けた。この日は試合前、松山英樹らが出場する今年の大会をチェックして臨んだ。「また戻りたいな、という気持ちになりました」。あらためて最高峰の戦いへの意欲を駆り立てられた。

2022年にはツアー4勝を挙げて賞金王に輝いた実力者は、九州の地で笑顔とともにトロフィーを掲げた。「今回の優勝は自信になった。この先に向けていいきっかけになれば」。開幕したばかりの国内ツアーや海外でのさらなる活躍を目指し、確かな第一歩を踏みしめた。(松田達也)

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