和歌浦小劇場さよなら公演 46年の歴史に幕 チケット残りわずか

会社員や主婦、公務員などでつくるアマチュア劇団、「演劇集団和歌山」の稽古場でもあった「和歌浦小劇場」が取り壊され、46年の歴史に幕を下ろすことになり、大型連休に行われる、この劇場での最後の公演に向け、稽古が行われています。

演劇集団和歌山の稽古風景(2024年4月11日午後8時30分ごろ)

54年前の1970年に創設された演劇集団和歌山は、拠点とする稽古場がなく、公共施設を転々としていましたが、創設から8年後の1978年、和歌山市和歌浦南にあった、干物を入れるための木箱を作る工場を改装し、「和歌浦小劇場」として、これまで38公演を行ってきました。

半世紀近くにわたって観客に親しまれてきましたが、建物が古くなり、所有者が写真館をつくることになったため、建物の取り壊しが決まりました。

和歌浦小劇場での公演は今回が最後で、上演される作品「ちょうど時間になりました」は、かつて和歌浦にあった「若松座」という芝居小屋をモデルに、大正から昭和に代わる激動の時代、小屋に集まる一座や浪曲夫婦が波乱万丈な世界を繰り広げるものです。

公演に向けて、劇場では、午後7時半以降に稽古が行われていて、昨夜(4月11日)もキャストが集まり、演出家の指導を受けていました。

演劇集団和歌山の代表を務める楠本幸男(くすもと・ゆきお)さんは、「床にペンキを塗ったり入り口のドアをつけたりして作り上げた劇場なので、感慨深いし、思い出に残る小劇場で密度の濃い時間をお客さんと一緒に過ごしたい。今回は観客40人に対してキャストが21人もいて、芝居には歌や生演奏もあり、私たちも皆さんと一緒に楽しめる内容なので、ぜひ見に来てほしい」と話しています。

代表の楠本さん

公演期間は、4月27日から29日までと、5月3日から5日までの、あわせて6日間で10ステージが予定されていますが、きのう(4月11日)現在、すでにほとんどのチケットが売り切れていて、残っているのは、5月4日と5日のそれぞれ午後6時からの公演のみとなっています。

問い合わせ先は「演劇集団和歌山」電話073・5068・7948です。

© 株式会社和歌山放送