エミネム、ドキュメンタリー映画の制作を明かす “熱狂的なファン”を募集

米ラッパーのエミネム(Eminem)さんが、ドキュメンタリー映画を制作していることを、XおよびInstagramで明かした。

日本時間4月11日、エミネムさんは「ドキュメンタリーのために、Stans(=熱狂的なファン。後述するエミネムさんの楽曲「Stan」が由来)を募集しています」とSNSに投稿。

制作は自身が所属するレコードレーベル・Shady Filmsと行われているという。映画の出演応募フォームも開設されている(外部リンク)。

「ファンであること、狂信者であることについて観客に問いかける」映画に

今回のドキュメンタリー映画は、「Stans(仮題)」として2024年2月に米メディア「Variety」が報じていたもの(外部リンク)。

「Variety」によれば、監督はスティーブン・レッカートさん、配給はパラマウント/MTV。2024年下半期に公開予定。

Varietyの取材に対し、エミネムさんのマネージャーであるポール・ローゼンバーグさんと映画プロデューサーのスチュアート・パーさんは、

『Stans(仮題)』は、カメラの向きをかえ、ファンであること、場合によっては狂信者であることについて、観客に問いかける機会となるでしょう

「これは、エミネムの最も魅力的な曲のひとつと、世界で最も重要なエンターテイナーのひとりというレンズを通して、ファンとアーティストの関係を研究するものです」とコメントを寄せている。

「Eminem」白人ではじめて世界的に成功したラッパー

エミネムさんは、黒人文化であるヒップホップにおいて、白人としてはじめて成功を収めたラッパー。

全世界でアルバム・シングルの売上が2億2000万枚を超える、史上最も売れたラッパーのひとりだ。

また、自身が主演をつとめた、半自伝的な映画『8 Mile』(2002年)は、主題歌の「Lose Youself」がアカデミー歌曲賞を受賞。

日本でも大ヒットし、フリースタイル・ラップでお互いをディスし合う「MCバトル」の認知拡大に大きく貢献した。

Eminemの曲が語源となったスラング「Stan」

ドキュメンタリー映画の仮題の元になった「Stan」は、エミネムさんが2000年に発表した楽曲。2ndアルバム『The Marshall Mathers LP』に収録された。

この楽曲では、「『Stan』と名乗るエミネムさんの熱狂的なファンがエミネムさん(の分身であるSlim Shady)宛に綴った手紙」という形式で物語が語られる。

そして最後には、エミネムさんの視点に移り、返事がもらえなかったファンが自暴自棄になり、命を落としたことが発覚する。

この楽曲を語源に、英語圏では“Stan”が「熱狂的なファン」「熱狂的に応援する」ことなどを指すスラングとして使用されおり、オックスフォード英語辞典やメリアム・ウェブスター辞典にも登録されている。

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