国民民主党は12日、衆院東京15区補欠選挙(16日告示、28日投開票)で乙武洋匡氏の推薦を正式に決めた。同党は乙武氏の同補選対応で自民党が推薦した場合は支援しない方針を示していた。
一方、自民党の小渕優子選対委員長はこの日「当初推薦方針で協議を進めていた乙武洋匡候補について、本日までに本人から要請がないこと、また選挙区である江東総支部長から党としての推薦を出さないでほしいとの要請があがっていること等を勘案し、党本部として推薦を見送ることにいたしました」とコメントを発表した。永田町関係者によると、国民民主が自民党の対応を受け「乙武氏に推薦を出すのは時間の問題だろう」とみられていた。
一方、同補選に元江東区議の酒井菜摘氏を擁立した立憲民主党の岡田克也幹事長は9日に開いた会見で、乙武氏への態度を決めていなかった国民民主に「一緒に酒井さんを応援してもらいたい」とエールを送っていた。
「同補選は国民民主が乙武氏を推薦、立憲が擁立した酒井氏は共産党からの支援を受けています。自公は自主投票になるかもしれません。無所属からは江東区出身で元格闘家の須藤元気氏が立候補します。選挙戦の行方は不透明です」と永田町関係者は指摘した。
そんな中、国民民主の玉木雄一郎代表は13日、小池百合子都知事と乙武氏が同補選内で開く予定の街頭演説会に参加する。
立憲の女性議員は「現時点で、我々が応援する酒井さんが優勢だとみられています。小池さんが選挙戦に登場し、玉木さんと一緒に応援することで空気感が一変するかもしれません」と不安を口にしている。