８回２死一、二塁、リプレー検証の結果、代走川村の生還が認められ喜ぶソフトバンクベンチ（撮影・伊東昌一郎）
◆西武1―2ソフトバンク（12日、ベルーナドーム）
ソフトバンクが逆転勝ちで2連勝を飾った。1点を追う8回に昨季まで在籍した甲斐野を攻略。柳田が同点の二塁打、中村晃が決勝の適時打を放った。7回1失点の東浜が今季初勝利を手にした。
8回は同点として、なお1死二塁で二塁走者の柳田に代走川村を送った。もつれれば、再び柳田に打席が回る可能性もあったが、ベンチは勝負をかけた。
小久保監督は「同点だったけど、明日もあさっても試合があるので、柳田を早めに代えようと思って。勝負を決めにいった？ そうですね」と説明した。
この決断が勝敗を分けた。近藤が申告敬遠された2死一、二塁から中村晃がしぶとく右前打。外野は前進守備を敷いていたが、三塁ベースコーチの井出竜也外野守備走塁兼作戦コーチは腕をグルグルと回した。右翼岸の送球が一塁側にそれたため、ヘッドスライディングで本塁突入した川村は捕手古賀のタッチをかいくぐって生還。西武ベンチがリクエストを要求したが、セーフの判定は覆らなかった。
井出コーチは「（セーフの確率は）五分五分よりも（低かった）。それ（送球がそれること）待ち。代走を出していたし、勝負をかけていたので。（アウトでも）しょうがないなというぐらい。柳田に代えて、代走を出しているぐらいなので、思い切っていこうと」と話した。ベンチの起用の意図を理解し、アウトも覚悟した上での思い切った判断だった。
