横綱照ノ富士らがモンゴル先人の墓参り 住職は宮城野親方にエール「叩かれているけど…」

写真に収まる照ノ富士ら

大相撲の横綱照ノ富士(32=伊勢ヶ浜)らモンゴル出身の力士が12日、神奈川・藤沢市内の常立寺に墓参りに訪れ、約750年前に処刑された故郷の人を弔った。

1275年、モンゴル帝国から送られた5人の国使が現在の同市内にあった龍ノ口刑場で処刑され、5人を弔うために常立寺が建立された。

この日は、照ノ富士や大関霧島(音羽山)など力士12名と、音羽山親方(元横綱鶴竜)が参加した。法要を終えた照ノ富士は「当時の人たちのおかげで、祖国との一つの架け橋となって、自分も日本にやって来れた。感謝している」と語った。

人気力士たちを一目見ようと、同寺院には約500人が集まった。服部功志住職(47)は「歴史的に大きな出来事ではなくても、とても悲しい出来事。この取り組みが注目されて、今よりもっとモンゴルとの関係が良好になればいい」と期待を寄せた。

19年前に初めて、力士による墓参りが実施された。その影響が現在も続いているようで、服部住職は「初めて(力士たちに)訪問してもらって、モンゴルのテレビ番組でも特集されて、(同寺院の)モンゴルでの知名度も上がった。今でも、モンゴルの方が旅行などでお参りに来る」と明かした。

9年前には、宮城野親方(元横綱白鵬)も訪れている。同親方は弟子だった元北青鵬の暴力問題を受けて、部屋が閉鎖になるなど苦境に立たされている。服部住職は「私は白鵬(翔)が大好きで、翔という漢字を取って息子に『和翔』という名前をつけた。9年前に当時1歳の息子を抱っこしてもらったのも、思い出の一つ。今はこうやって叩かれているけど、頑張ってほしい」とエールを送った。

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