天皇、皇后両陛下 能登思い再訪 穴水、能登町 犠牲者に黙礼

穴水町商店街を視察される天皇、皇后両陛下=12日午後1時28分、穴水町川島 

 天皇、皇后両陛下は12日、能登半島地震の被災者を見舞うため、穴水町と能登町を日帰りで訪問された。被害の大きかった奥能登に入るのは3月22日の輪島、珠洲両市に続き2回目。両陛下は地震発生から3カ月以上を経ても避難生活を強いられる住民をねぎらい、被災地に心を寄せた。

 両陛下は特別機で能登空港に到着し、能登空港ターミナルビルで馳浩知事から被災状況の説明を受けた。

 自衛隊のヘリコプターに乗り換えて穴水町に入り、吉村光輝町長の案内で倒壊した家屋が残る商店街を視察。途中、立ち寄った美容室ではオーナーの女性(49)をいたわり、皇后さまは「大変でしたね。お体に気を付けてください」と声を掛けられたという。

 46人が身を寄せる町さわやか交流館プルートでは、避難住民に自宅の被害や生活状況を聞いた。臨時ヘリポートでは、町内最多16人の犠牲者を出した由比ケ丘地区周辺に向かって黙礼した。

 自衛隊ヘリで能登町へ移ると、43人が避難する松波中で大森凡世町長から被災状況の説明を受けた。体育館で避難者を見舞われ、津波被害を受けた白丸地区でも黙礼した。両町では避難所運営に携わった関係者や消防団員、医師らをねぎらった。午後8時9分、能登空港から帰京した。

 この日は、羽田空港で特別機の機材トラブルがあり、出発が約1時間遅れた。その後の日程が30分ほどずれ込んだ。

 県によると、天皇陛下は1975(昭和50)年の学習院高時代に穴水町に立ち寄られた。能登町へは皇太子だった2013年に全国農業担い手サミットに合わせて訪れている。 

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