ブーイング覚悟していたソフトバンク山川穂高 古巣西武との初対決で感じた怖さと敬意「ピッチャーがいいので楽しみではない」

1回2死三塁、空振り三振に倒れた山川(手前)(撮影・冨永豊)

◆西武1―2ソフトバンク(12日、ベルーナドーム)

ソフトバンクの山川が昨季まで10シーズン在籍した古巣西武との本拠地初戦に「4番指名打者」で出場し、4打数1安打、3三振だった。

試合中、西武ファンから浴び続けたブーイングはある程度覚悟していた。「打席に入る前は聞こえるけど、打席に入って進んでいくときは集中しています」と目の前の対戦に神経を集中させた。

最も感情をあらわにしたのは、先発の今井との初対決だった。「真っすぐの軌道が見たことないような…本当、うなっている真っすぐだった。その後に変化球がいいところに落ちていた。やっぱりいいなと」と脱帽した。

元チームメートとの再会やベルーナドームで試合ができることに感謝と喜びを示したが、対戦相手となって「敵にしたら怖いなという印象はもちろんある」と実感した。「ピッチャーがいいので、そういう意味で(対戦は)楽しみではない。いいピッチャーから打つのって、やっぱり非常に大変な作業になるので、そういう意味ではちょっと嫌だなという意識はある」と、12球団トップのチーム防御率1・51を誇る西武投手陣への敬意をにじませた。

自身の人的補償で移籍した甲斐野とも8回に対戦して見逃し三振。「最後は(コースが)低いと思って見切ってストライクだったので、致し方ない」と受け止めた。「(西武に)当然感謝していますし、育ててもらったことに変わりはないので、そこは忘れていませんし。ただ、明日もまた勝負があるので、必死でやっていく」と切り替えた。

山川は2014年に富士大からドラフト2位で西武に入団。昨季は自らの不祥事もあり、17試合の出場にとどまった。オフに国内フリーエージェント(FA)権を行使してソフトバンクに加入した。

© 株式会社西日本新聞社