西武、先制打の佐藤龍世「開き直って右方向に踏み込めた」チーム最多7打点目

7回2死一、二塁、右翼線に先制適時二塁打を放つ西武・佐藤龍(撮影・冨永豊)

◆西武1―2ソフトバンク(12日、ベルーナドーム)

西武の佐藤龍世内野手(27)がチーム最多7打点目となる先制打を放った。

0―0で迎えた7回2死一、二塁、相手先発の東浜に1ボール2ストライクと追い込まれながら、148キロの外角高め直球を右翼線に運んだ。中村剛が申告敬遠された直後の打席だったこともあり「どうしても得点がほしかった」。それでもチームが敗れたことから笑顔はなく「勝ちたかった」と顔をしかめた。

昨季自己最多の91試合に出場した佐藤龍は、自主トレーニングで師事する森友哉(オリックス)が2022年までつけていた背番号10を今季から継ぎ、チームの中心としての責任感を高めて臨んでいる。開幕スタメンこそ逃したが、2日のオリックス戦から9試合連続で先発出場。6日の日本ハム戦で右方向に3ランを放つなど、先発9試合中7試合で安打を放ち、規定打席にまだ到達していないものの3割1分と高打率をたたき出している。

「状態はよくなかった」と最初の2打席は緩急を付けてくる東浜に合わず、いずれも空振り三振。それでも「開き直って右方向を狙って踏み込めた」と思い切りの良さが先制打につながった。〝師匠〟の森と同じく、大事な場面で勝負強さを発揮しつつある27歳が、得点力不足に悩む西武打線の鍵になりそうだ。(末継智章)

© 株式会社西日本新聞社