ソフトバンク東浜巨、2試合続けた7回1失点でつかんだ初勝利 無安打投球から失点も崩れず「ずるずるいかずに踏みとどまれた」

ナインを出迎える(左から)小久保監督、東浜、松本裕(撮影・冨永豊)

◆西武1―2ソフトバンク(12日、ベルーナドーム)

ソフトバンクの東浜巨投手(33)が7回2安打1失点で今季初勝利を手にした。西武先発の今井と白熱の投手戦を繰り広げ、8三振を奪った。

2年ぶりの偉業さえ予感させる快投だった。初回を三者凡退で立ち上がると、7回1死まで無安打投球を続けた「序盤、いい入り方をして中盤まで何とかいい流れでは投げられたと思います」。2022年5月11日に本拠地ペイペイドームで、同じ西武を相手にノーヒットノーランを達成した姿にも重なった。

7回に外崎に初安打となる左翼線二塁打を許した。「ちょっと嫌な流れだなと思いながら。いつかヒットは打たれるだろうなとは思っていたので、そこ(ノーヒットノーラン)は何も思ってなかったですが、あそこですね」。2死二塁から中村剛を申告敬遠し、佐藤龍と勝負。1ボール2ストライクからの4球目、外角高めの直球を右翼線への適時二塁打とされた。

「追い込んでから高めにいったあの1球だけは失投です。打った打者を褒めるべきだけど、あそこに投げてしまったのは反省しなきゃいけない。ああいう展開だと余計に1点は重いので」。今井との投手戦で均衡が破られた。

続く岸に四球を与えて2死満塁。古賀には3ボール1ストライクとカウントを悪くした。ファウル2球のあと、スライダーで空振り三振。この場面を小久保監督は勝因に挙げた。東浜は「あそこでずるずるいかずに踏みとどまるのは、先発としてやらなければいけないところ。それができて良かった」と汗を拭った。

直後に味方打線が甲斐野を打ち崩し、逆転に成功した。粘った東浜に今季初勝利が転がり込んだ。「チームがつけてくれた白星。同点打を打ってくれた柳田さん、(決勝打で)逆転してくれた(中村)晃さん、一生懸命走った川村に感謝しないといけない。守りも良かったので、今日は勝ちを付けていただいた」と感謝の言葉を並べた。

今季初先発だった4月3日のロッテ戦(ペイペイドーム)が7回1失点。中8日で臨んだ今回も同じく7回1失点。白星に値する好投を続け、ようやく報われた。(小畑大悟)

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