【ソフトバンク】山川穂高 古巣ファンのブーイングにも敬意「敵にしたら怖い」

8回のチャンスは見逃し三振に終わったソフトバンク・山川穂高(右)

ソフトバンク・山川穂高内野手(32)が12日、昨季まで本拠地としていたベルーナドームで強烈なブーイングを浴びた。西武戦に「4番・DH」で出場。FA移籍後、古巣本拠地での初めての公式戦は〝予定調和〟とも言える異様な空気に包まれた。

結果は4打数1安打、3三振。ストライクコールのたびに「ブ~」という低音ボイスが響き渡った。紆余曲折を経てのFA移籍。山川自身が覚悟していた光景だった。試合後、神妙な様子は一切なく、快活に素直な感想を語った。

「敵にしたら怖いなと。当然、感謝していますし、育ててもらったことに変わりはないので、そこは忘れてません。明日も試合があるんで、こっちはこっちで意識してやっていこうと思います」

西武時代、背中を押されて218発、3度の本塁打王を獲得。感謝と同時に、熱狂的な獅子党への敬意を表した。

西武の先発・今井達也投手(25)との対戦では2打席連続の空振り三振。大ブーイングがクローズアップされる中、ライバルとなった両者はいずれも真剣勝負を楽しむように笑みを浮かべていた。「うなっているような真っすぐでした」。敵となった古巣投手陣は強力だ。「いい投手から打つのは大変な作業になるんで、そういう意味では、ちょっと嫌だなという意識はあります」。最後は表情を引き締め、勝負師の顔になっていた。

© 株式会社東京スポーツ新聞社