ECB、5月21─22日に金融政策の方向性や戦略見直しを議論

[フランクフルト 12日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)の政策担当者はアイルランドで5月に開催する会合で、金融政策の方向性や今後の戦略見直しについて議論する。ECBは約2年間にわたる高インフレとの戦いが終わりに近づいており、6月6日の理事会で記録的な高水準の政策金利の引き下げを決めるかどうかで内部の議論が集中している。

関係筋によると、ECB理事会のメンバーは5月21─22日にアイルランドのキルケニーにある5つ星ホテル、マウント・ジュリエット・エステートで会合を開き、6月の理事会の判断に向けた布石を打つ。

より長期的な課題についても議論する。その1つは来年予定されているECBの次回の金融政策戦略の見直しだ。一部のエコノミストはECBと米連邦準備理事会(FRB)は貿易摩擦や地政学的緊張、気候変動といった新たな時代に2%のインフレ目標の引き上げを検討するか、見直しを迫られると推測している。

ECBのラガルド総裁とFRBのパウエル議長はこの見方を総じて否定したものの、ラガルド氏は物価上昇率が2%を達成後に目標の変更を議論できるようになるとの見解を示していた。戦略の見直しを始める来年には、インフレ率が2%を達成すると見込まれている。

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