桜並木にいたずら 川北・手取川沿い

桜の幹にくぎで打ち付けられたカレンダーの一部=川北町与九郎島

 川北町の手取川堤防沿いにある桜並木で、幹に紙片や金属製のふたをくぎで打ち付けるいたずらが横行し、住民を憤慨させている。同様の被害は2月ごろから目立つようになり、8日には少なくとも3カ所で見つかった。観桜期を迎えて多くの花見客が訪れる中、管理する町も名所の景観を損なうとして、巡回強化を検討している。

  ●住民ら憤慨「景観損なう」

 いたずらが見つかったのは、手取川右岸にある総延長約1キロの「桜づつみ」で、ソメイヨシノとシダレザクラ計209本が植えられている。

 桜づつみでの散歩を日課にしている住民男性(91)が2月以降、少なくとも10カ所程度の幹に、瓶のふたや空き缶が長さ数センチのくぎで打ち付けられているのを見つけた。男性によると、10年近く前にも桜づつみで同様のいたずらが繰り返され、最近になって再び目立つようになった。

 8日には、長さ約20センチの紙製カレンダーの一部やあんどんのような金属製の物体が打ち付けられているのを確認。男性は「憩いの場を台無しにする行為であり、やめてほしい」と憤った。

 桜づつみ周辺では、案内看板一面にレシートを貼り付けたり、落書きしたりするいたずらも見られる。町は普段から河川を巡回しており、同様の行為が見つかれば回収作業に当たっている。今後はさらなる巡回の強化を検討するとともに、警察への通報も検討していく。

 町の担当者は「何度もくぎを打たれれば、最悪の場合枯れてしまう。美しい桜並木を守っていくため、悪質な行為には厳正に対応したい」と話した。

 桜づつみは1994(平成6)年に手取川の景観形成のため整備された。降り注ぐような桜のトンネルが見渡せる人気スポットとして定着しており、今季は来週ごろまで花見が楽しめる見込み。

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