国宝勝興寺、舞台整う 13日から高岡茶会

もてなしの舞台を整える竹風会高岡支部=高岡市伏木古国府の国宝勝興寺

 第31回高岡茶会(富山新聞社、北國新聞社主催)は13、14日、高岡市伏木古国府の国宝勝興寺で開かれる。12日は初日に席を設ける古儀茶道藪内流竹風会(やぶのうちりゅうちくふうかい)高岡支部と表千家同門会富山県支部が舞台を整え、能登半島地震からの復興の願いを込めた心づくしのもてなしを誓った。

 17世紀中期に建立された浄土真宗の公式な接客の場である大広間では、竹風会高岡支部が本席を設ける。当日は、地震で被災した伏木の和菓子店「こし村百味堂」の生菓子や輪島塗の香合などでもてなす。席主の瀬賀智香枝さんは「復興の兆しを感じながら楽しいひとときを過ごしてほしい」と話した。

 同門会県支部は同寺の住職を務めた加賀藩11代藩主前田治脩(はるなが)らが支援し、国内で十指に入る規模を誇る本堂で立礼席を設ける。席主の鴨島喜久子さんら社中が道具や作法を入念に確認した。同支部は伏木地区の伝統や文化を感じられるしつらえで愛好者を迎え入れる。

 同寺文化財保存・活用事業団の高田克宏専務理事は「地震によって地区の活気が失われている。茶会をにぎわい創出につなげてほしい」と期待を寄せた。

 茶会は両日とも午前9時~午後2時で、14日は大広間で遠州流平木白蓮庵が本席、本堂で茶道裏千家淡交会高岡支部が立礼席を担当する。

 高岡茶会は1994年に始まり、2007年からは加賀藩2代藩主前田利長の菩提寺である国宝瑞龍寺で開催。21年から勝興寺で開かれている。

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