横沢さん世界ロボコン出場 茨城・水戸出身、カナダ高校在籍 製作や活動費などCFも

在籍するカナダの高校でロボットコンテストの世界大会に出場する横沢淑子さん(中列右端、横沢淑子さん提供)

茨城県水戸市出身でカナダ西部の高校に進学した横沢淑子(よしこ)さん(17)が、米国ヒューストンで17日開幕するロボットコンテスト(ロボコン)世界大会に出場する。同校ロボコン部では配線を担当し、2~3月に開かれた予選会を突破。現在は渡航費など200万円を集めようと、クラウドファンディング(CF)などで資金集めに奔走している。

ロボコンは手作りロボットで課題を克服する競技大会。横沢さんらが出場する世界大会の一つ「ファースト・ロボティクス・コンペティション」は15~18歳の生徒10人以上のチームが、6週間以内で設計から組み立てまでを行う。日本を含む35カ国から計9万5千人以上が参加する。

2024年大会は、高さの異なる2種類のゴール3カ所に、直径約35センチの輪を発射して合計点を競うルール。横沢さん所属のチームはカナダの予選会で36チーム中34位に終わったものの、上位が下位を引き上げて連合チームを編成するルールに救われ、創部4年目で初の世界大会進出となった。

横沢さんは水戸市立第四中卒。3年時に母親の友人家族が暮らすオーストラリアへ渡る計画だったが、コロナ禍で断念。入国規制が比較的緩かったカナダ西部の州立マウント・ブシェリー高への進学を決めた。

英語は好きではなかったが、「話せたら世界が広がるはず」と22年3月、カナダへ渡航。現地の語学学校で約半年間学び、新学期が始まる同9月に入学した。

入学後はプログラミングの知識を身に付けようとロボコン部へ。入部直後は工具の受け渡しなど仲間の指示通りに動くことしかできなかったが、次第に「配線は人間の頭と胴体をつなぐ役割のようなもので、そんな作業の意味を理解できるようになってきた」と成長を実感している。

大会では、学生自らが製作費などを調達しなければならず、PR力も必要。チームは地元3社から支援を受け、不足分についてはCFに加え、学校前での手作りサンドイッチ販売や地元飲食店の食事券オークション、芸人のお笑いライブなどを企画。10日現在(日本時間11日)で約170万円を集め、目標額まであと一歩という。

横沢さんは「奇跡のようなチャンスを無駄にせず、悔いのない戦いをしたい」と闘志を燃やす。

将来は大学でロボット工学を専攻し、ロボット業界で活躍する目標もある。「世界大会出場は夢実現の第一歩。国内外から集まった応援を力に精いっぱい戦いたい」と力を込める。

横沢さんが所属する「ブシェリー・ベアーズ・ロボティクス」は20日(同21日)まで支援を呼びかけている。CFサイトのアドレスはhttps://www.gofundme.com/s?q=MBSS

横沢淑子さん(横沢淑子さん提供)

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