【西武】ソフトバンク・山川穂高への大ブーイング 捕手・古賀悠斗は自粛要請「やりづらさはありました」

西武・古賀悠斗(左)の好リードもあり、ソフトバンク・山川穂高は3三振を喫した

西武は12日のソフトバンク戦(ベルーナ)に1―2の逆転負けを喫した。

先発・今井が7回無失点10奪三振と好投。7回裏に佐藤龍が先制打を放って均衡を破り、流れを引き寄せたかと思われた。ところが直後の8回に2番手・甲斐野が元同僚の柳田、中村晃に連続タイムリーを浴びて逆転されると万事休す。1点差ゲームを落とした。

試合はプレーボール前のスタメン発表から因縁の前主砲・山川穂高内野手(32)に対する大ブーイングが巻き起こる異様なムード。結果的に山川を4打数1安打、3三振に打ち取り、その4度の打席では1球ごとにブ―イングと大歓声が繰り返された。これまで溜め込まれていたライオンズファンの思いが山川に向け、一気に吐き出される展開となった。

しかし一方で、山川への鳴りやまないブーイングには〝援軍〟となるはずだった西武バッテリーも困惑気味。この日、先発マスクをかぶった古賀悠斗捕手(24)は、ファンの心情に理解を示しながらも、13日以降の2試合では〝プレー中のブーイング〟を自粛してもらうように異例の要請を口にしている。

古賀は「(球場の雰囲気を)味方にというよりは(ブーイングが)鳴りやまないので、自分的にもやりづらさはありました。(今井も)たぶんやりづらかったと思います。起こっていることはしょうがないので、その中でやるしかなかったですね」と本音を吐露。この日、山川の打席で繰り返された異様な球場の雰囲気に言及した。

2月28日の練習試合(宮崎・アイビー)では、バッテリーを組んでいたドラフト1位・武内が自らのリードによって山川に一発を浴びてしまった苦い経緯がある。

古賀は「山川さんには一発の魅力がある。それをいかに抑えるか。センター前にワンヒット打たれましたけど、それはOKなので一発だけ打たれない気持ちでリードしました」とコメント。

この日のリードを振り返った上で、13日以降の試合に向けて〝ファンへのお願い〟を次のように語った。

「どうなるかは明日次第ですけど…。もういいんじゃないですか。やりづらさというか、プレー中にブーイングされても自分はいいんですけど、ピッチャーが投げづらいんじゃないかと思う」

自ら起こした不祥事で西武ファンを失望させただけでなく、その後の不誠実な対応で周囲の神経を逆なでしてきた前主砲・山川。この日も打席で終始ガムを噛みながら薄ら笑いを浮かべ、古巣ファンへの敬意も示さない態度など〝突っ込みどころ〟は確かに満載だった。13日の第2戦は果たして、どのような展開になるのだろうか。

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