【巨人】今季初の4連勝! 投手陣と野手陣を団結させる内海コーチ発案〝勝利の儀式〟

お立ち台に選ばれた巨人・オコエ瑠偉(中)と移籍後初勝利の泉圭輔(右)

ワンチームで逆境を乗り越えた。巨人が12日の広島戦(東京ドーム)で9―4と逆転勝ちを果たし、今季初の4連勝。先発した戸郷翔征投手(24)は5回4失点で降板したが、6回に打線が打者一巡の猛攻を見せて劣勢の試合を見事にひっくり返した。

3月29日に行われた阪神との阪神戦(東京ドーム)以来2試合ぶりの勝ち星を目指して今季3試合目の先発マウンドに立った戸郷だったが、初回から2点を失うスタート。2回こそ三者凡退に抑えたものの、3回に菊地の適時打を浴び、4回には坂倉にもソロ本塁打を被弾して4失点目。この日は安定感を欠いた。

それでも若きエースを救うべく打線が猛奮起。2点を追う6回一死満塁から坂本の押し出し死球で1点差に詰め寄ると、眠っていた打線に火がついた。その後も二死満塁の場面でオコエが2点適時打を放ち、これで逆転に成功。終わってみれば、この回だけで一挙7点を奪うビッグイニングとなった。戸郷の黒星を消し去ると、バトンを継いだ救援陣も無失点リレーで7回以降のリードを守り切った。

試合後の阿部監督も「もう、みんなで勝った勝利だと思います。ベンチで見ていて素晴らしいなと思いながらね。野球は何が起こるか分からないので、明日も気を引き締めてやりたいなと思います」と目を細めつつナインを称賛した。

白星を積み上げ、貯金も2。波に乗るチームの裏側には今季から始まった「勝利の儀式」が存在している。チームの勝利後、救援陣はロッカールームに戻ることなくベンチに整列して全員待機。お立ち台でのインタビューを終えたヒーローがベンチへ帰還すると誰もが笑顔でハイタッチをしながら盛大に出迎え、活躍をねぎらっている。

ある救援投手によれば「内海コーチの提案から始まった習慣なんです。投手陣、野手陣で勝利を分かち合える感じがいいですよね」。実際に内海コーチは11日のヤクルト戦(神宮)の試合後にベンチ内で待機していた選手たちと一緒になって、この日のヒーロー・小林を出迎え「誠司! カッコええぞ!」と手荒く祝福していた。

投打でカバーし合い、勝利の喜びも全員一丸となって分かち合う阿部巨人。このまま上昇気流に乗っていきそうな予感が漂う。

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