内に秘めた熱い思いを一振りに込めた。ソフトバンクは12日の西武戦(ベルーナ)に2―1の逆転勝ち。決勝打は、今季初スタメンの中村晃外野手(34)のバットから生まれた。
1点を追う8回に柳田の適時二塁打で同点とし、なおも二死一、二塁となって相手2番手で昨季までチームメートだった甲斐野と対峙。
「勝負どころだったんで、ちょっと代打っぽくというイメージでいきました」
開幕から代打に専念してきた34歳の実力者が、勝負根性と冷静な思考で鮮やかな右前打を放ち、勝ち越し点を叩き出した。
いやが応でも気持ちの入る打席だった。「(監督に)チャンスをいただいたんで。結果を出せるようにと思っていた。何より勝ちたいなって思ってました」。7回に先制を許した直後に巡ってきた局面。〝レフティースナイパー〟の血が騒いだ。
7回一死まで無安打投球を続けた東浜に今季初白星がついた。「明日のモイネロもそうですが、なかなか彼らが投げている時に点が入っていないんで」と気を揉んでいた小久保監督も安堵する一打だった。もらったチャンスを生かし、最終打席で期待通りの仕事をやってのけた。