米利下げ「緊急性全くない」、インフレ対応なお必要=SF連銀総裁

[12日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は12日、インフレ率を目標とする2%に向かう軌道に乗せるために「行うべきことはまだ多くある」とし、利下げ実施の「緊急性は全くない」と述べた。

地区連銀のイベントで「政策は今のところ良好だ。利下げを検討する前に、インフレ率がわれわれの物価安定の定義である2%に向かって低下する軌道にあると完全に確信する必要がある」と指摘。労働市場が好調でインフレ率の低下が昨年より緩やかになっていることを踏まえると、連邦準備理事会(FRB)はインフレ抑制に向け必要な限り現在のスタンスを維持するとした。

その上で「政策金利を調整する緊急性は全くない」とした。

また、FRBが何を達成しようとしているのかよりも、何回利下げするかに関する議論が多すぎると言及。インフレ低下に向けた進展は常に一様ではないものになるだろうが、「われわれのコミットメントは変わらない。可能な限り緩やかに物価安定を回復させ、その軌道に乗っていると完全に確信できるまで政策スタンスを維持する」とした。

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