【なでしこジャパン22選手の通信簿】まさかの最下位フィニッシュでA評価はなし。“最低のD”だった2人は...

なでしこジャパンはアメリカ開催の『2024 SheBelieves Cup』に参戦。2連敗の4チーム中最下位で大会を終えた。

現地6日に行なわれた初戦である準決勝のアメリカ戦は、1―2で痛恨の逆転負け。開始30秒に清家貴子のゴールで先制もその後に2失点し、得点差以上に内容で上回られて敗戦。続く3位決定戦のブラジル戦でも田中美南が先制点を挙げるも、同点に追い付かれて1-1で突入したPK戦に0-3で敗れた。

日本女子代表の22選手について、2試合のパフォーマンスを5段階(S、A、B、C、D)で評価した。

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【GK】
1山下杏也加[評価]C
2試合で3失点。いずれの失点もGKだけの責任ではないが、ブラジル戦のPK戦では1本でも止めて、チームに流れを引き寄せたかったところだ。

18平尾知佳[評価]―
最後まで出番はなかったが、練習でも声を出してチームを引き締め、守護神を支える姿勢も好印象。

21大場朱羽[評価]―
久々の代表招集で出場機会はなかったが、「少しの間ですけど、短い時間で成長したい」との言葉通り、試合前のアップから全力だった。

【DF】
2清水梨紗[評価]C
2試合連続で先発したが、得意の攻撃参加も鳴りを潜め、“らしさ”が見られなかった。

3南萌華[評価]C
2試合ともにスタメン出場。ブラジル戦では粘り強く守っていたが、アメリカ戦では相手のパワーに屈したか。

4熊谷紗希[評価]D
唯一出場したアメリカ戦では、不用意な縦パスを奪われ、失点に絡む。チームを牽引するキャプテンとしては物足りなすぎる出来に。

5守屋都弥[評価]C
アメリカ戦では、ゴールラインギリギリでボールをかき出すなど気持ちを見せたが、徐々に低調気味になりハーフタイムで交代。ブラジル戦でも存在感は希薄だった。

12石川璃音[評価]B
ブラジル戦でフル出場。体格の大きい相手にも、強いフィジカルを活かして当たり負けしなかった。

13北川ひかる[評価]B
怪我の影響でチームへの合流が遅れ、ブラジル戦のみの出場も、効果的な縦パスなど周囲を使いながらの突破は相手の脅威に。

20古賀塔子[評価]C
センターバックの一角に入り、2試合ともに無難にこなしてはいた印象も、簡単に相手に振り切られる場面もあった。

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【MF】
6杉田妃和[評価]D
途中出場のアメリカ戦では、ペナルティエリア内で相手を後ろから倒してしまい、PKを献上。簡単に突破を許すなど、不完全燃焼に終わった。

10長野風花[評価]B
フル出場したアメリカ戦では、豊富な運動量で攻守に走り回った。ただ結果に直結するプレーは出せず、ポテンシャルを考えるとB止まりか。

14長谷川唯[評価]B
このチームの心臓であると改めて感じるパフォーマンス。とくにブラジル戦では、ほとんどのチャンスが彼女を起点に。Aと迷ったがチームの結果を加味してBとした。

16林穂之香[評価]C
ブラジル戦のみの出場で、ダブルボランチの一角を務めた。鋭い仕掛けからファウルを受け、PKを得る働きもったが、ピンチでの対応では後手に回った。

19谷川萌々子[評価]B
期待の18歳は、守備で強さを見せたが、中央突破を許す場面も。しかしアメリカ戦では好パスから先制点をアシストした。

【FW】
7宮澤ひなた[評価]C
足首の骨折から復帰。怪我明けでなかなかパフォーマンスは上がらず。テクニシャンの完全復活が待たれる。

8上野真実[評価]C
出場はブラジル戦での後半頭からの45分のみ。鋭い持ち上がりも見せたが、序列を上げるだけの活躍はできず。

9植木理子[評価]C
先発したアメリカ戦では、押し込まれる展開の影響もあって、ボールに触る機会も少なく、全体的にインパクトを残せなかった。

11田中美南[評価]C
ブラジル戦でこぼれ球を流し込んで先制点をマーク。しかし、見せ場はそこだけで、なかなかボールが収まらなかった。

15藤野あおば[評価]C
技術の高さを感じるプレーをいくつか見せた。ボールキープ、ドリブル突破も見事だったが、ブラジル戦での2度の決定機逸は痛恨だった。

17清家貴子[評価]B
アメリカ戦での先制ゴールは、身体の強さ、スピード、精度、文句なしのフィニッシュ。右ウイングバックでプレーしたブラジル戦でも安定していた。

22浜野まいか[評価]C
アメリカ戦では後半頭から、ブラジル戦では前半のみの出場。前から懸命にボールを追ったが、好機にはあまり絡めなかった。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

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