ほてりは最大の冷え性と心得て! 体の熱を外に出し、スッキリ軽い体になれる足刺激テクニック

By 鈴木 きよみ

足から全身に働きかけることで健康的な毎日を生み出す「足ウェルネスⓇ」というライフスタイルを提唱している足のひと 鈴木きよみさん。足裏に表れる表情を読み解き不調の原因を見出す、先生の足相診断をレポートします。今回のモニターさんは、若いころからのぼせがあり、疲れやすいのがお悩みです。のぼせの原因と、体にこもった熱を外に出すための足刺激テクニックをご紹介します!

足がぽかぽかなのに不調がある人は、のぼせを疑ってみて!

今回のモニターは、英語講師をしている50代前半のS.Sさんです。

S.Sさん:「低血圧で朝起きるのがツラいのと、疲れやすいのが悩みです。若いころからなのですが、のぼせがずっと続いていることも気になっています」

きよみ先生:「足裏が赤く、さわるととても温かいのですが、これはのぼせの温かさですね。体が温かいのはいいことだと言いたいのですが、のぼせによる温かさは代謝不良によって内側にこもった熱なので、外に出す必要があるのです。汗をかきにくいのに体が温かい人は、のぼせの可能性があるので注意してくださいね」

●足裏が赤く、温かい足裏

体が温かいのは冷えがなくていい状態だと勘違いしてしまいそうですね。更年期の人も、このようなのぼせが起きやすいといいます。

単純に体が温かいだけなのか、のぼせによる体の温かさなのかを見分けるポイントを教えてもらいました。以下のチェックポイントに3つ以上当てはまる人は、のぼせが起きていると考えられます。ご自分に当てはまるかチェックしてみてくださいね!

『のぼせの熱』のチェックポイント!

✓足裏がぽかぽかしている
✓足裏が赤い
✓体が暑いと感じる
✓汗をかきにくい
✓足首がかたい
✓冷たい飲みものや食べものが好き

S.Sさん:「生理痛の原因は冷えだと思っていたのですが、私は体がぽかぽかしているのに生理痛がかなりひどく、なぜだろうと不思議に思っていました」

きよみ先生:「生理痛が重いのは、内臓がとても冷えているからなのですよ。体の内部の冷えが重度になると、体の表面だけがのぼせた状態になって、むしろ暑いと感じる人もいます。体がほてるからと冷たい飲みものや食べものをとってしまうと、よけいに内臓を冷やしてしまいます。ほてりやのぼせは最もひどい冷え性だと思ってください。のぼせの人は、いらない熱を外に出し、体の内部を温める温活が大切ですよ」

のぼせの症状は、冷えがさらに進んだ状態だったのですね! チェックポイントに当てはまる人は、自覚していなくても体の内部が冷えているので、しっかりと足刺激を行って、体を温めることを意識するといいそうですよ。

健康サンダルは足裏を刺激し過ぎないように要注意

きよみ先生は、S.Sさんのかかとの足相が気になるそうです。

きよみ先生:「かかとに角質がかなりついていますね。はきものはふだんどんなものを使っていますか?」

S.Sさん:「室内ではいつも健康サンダルをはいています。かかとは、そのせいではないかな?と思います」

●かかとについた角質

きよみ先生:「足裏を刺激するツボ押しがついた健康サンダルを1日中はき続けている人は多いと思うのですが、長時間はき続けるのは、じつはよくありません。サンダルを通して足裏が刺激を受け続けることになるので、体はその刺激から身を守ろうとして、角質を作るようになってしまうのです。かかとに角質がついた状態にしておくと、子宮や卵巣など骨盤内にある臓器の不調を招いてしまうので注意が必要です」

S.Sさん:「体によさそうと思って家にいるときはずっと、はいていたのですが、足裏を刺激し続ければいいというわけではないのですね!」

きよみ先生:「足裏を刺激すること自体は大切なので、1日中はくのではなく、長くても1時間以内にとどめるといいですよ」

ふだんから健康サンダルを室内ばきにしている人も多いかもしれません。その場合は、時間を区切ってはくようにしてみてくださいね!

代謝を上げてのぼせを解消する足刺激テクニック

代謝を上げて体にこもった熱を外に出し、のぼせを解消するのにおすすめの足刺激テクニックをご紹介します。指先からかかとまで、足裏全体に刺激を与えることが大切です。

【腎臓~輸尿管~膀胱のゾーンをプッシュ】
はじめに、足裏の反射区の基本的な部位である腎臓・輸尿管・膀胱のゾーンを流れで刺激します。体の不要な毒素を排出する働きを高めることで、全身の巡りをよくします。オイルやクリームをつけ、指圧棒や指の関節の角を使ってしっかりと刺激しましょう。

●腎臓・輸尿管・膀胱のゾーン

【足の指全体を刺激】
指全体への刺激は、血流をよくし、全身の巡りを促します。1本1本の指をつけ根から指先までていねいにもんだり、動かしてストレッチしたりしましょう。のぼせている人や冷えがある人は、痛みを感じるかもしれません。痛みが和らぐまでしっかりと刺激しましょう。

【土踏まずを刺激する】
消化器のゾーンが集まる土踏まず全体を、指の関節の角や指圧棒の先でゴシゴシとこするように刺激しましょう。

●指の関節の角を当ててこする

【かかとを刺激する】
S.Sさんのように生理痛が重い人や冷えがあるという人は、生殖器のゾーンがあるかかとを指の関節の角や指圧棒の先でゴシゴシとこするように刺激しましょう。

【足の甲を流す】
手をグーにして、指の関節の角を足の甲に当てます。指の根もとから足首にある鼠径部のゾーンに向かって流すように、やさしくなでるような力で刺激します。ここを刺激するとリンパの流れがよくなり、よぶんな老廃物を汗や尿として外に出すことができます。鼠径部のゾーンを刺激すると、股関節のつまりを解消し、全身の巡りをよくすることにもつながります。最後に、足首を左右に大きく回して仕上げます。

●足の甲のゾーン

●足首にある鼠径部のゾーンに向かって流す

●足首を左右に回す

汗が引いてスッキリ! 足裏がきれいな赤色になった

きよみ先生が指全体の刺激を始めると、S.Sさんは身もだえるような痛みを感じている様子でした。

S.Sさん:「今までは刺激が気持ちいいくらいのフットマッサージしか受けたことがありませんでした。こんなにしっかりと強めに刺激をする施術は初めてです! 効く感じがします」

きよみ先生:「だんだんと汗が出てきましたよね。体の熱は汗とともに外に出ていくので、汗が出るかどうかが足刺激の重要なポイントです。これで刺激の痛みもだいぶ和らいだのではないですか?」

S.Sさん:「さっきはすごく痛かったのですが、だいぶおさまってきました! 汗も引いてきて、スッキリとした気分です」

足刺激前後の足裏の変化を確認してみましょう。足刺激前は、まっ赤な色をしていた足裏ですが、足刺激後は、色味が微妙に変化して透明感のあるきれいな赤色になりました。

●足刺激前

●足刺激後

最後にS.Sさんに、足相診断を受けた感想を聞きました。

S.Sさん:「足刺激前は、足首がかたくてコキコキと音がしていたのに、足刺激後は足首がなめらかに回るようになって、音もしなくなりました! これは人生が変わりそうな予感がします…」

S.Sさんがその場で足踏みをすると、以前はパキパキと音が鳴っていたという股関節の音が治まり、足が動かしやすいことも実感していましたよ。

3週間の足刺激体験で、疲れにくくスッキリと軽い体を実感できるようになるといいですね! 次回記事でその後の体調や足相の変化をくわしくお伝えします。

取材・文/牧内夕子 イラスト/湯沢知子

鈴木きよみ先生の足相学が1冊にまとまりました! 足をチェックするときに欠かせない、ゾーンMAPをはじめ、足の形、色、しわ、温度などのチェックポイント、各症状別の足相、そしてそれを解決すべきゾーンセラピーの方法などがわかりやすくまとまっています。初めてご自分の足裏を見るという方にも、足裏のケアを続けてきた方にも、すぐに役立つ1冊です。ご自身の体調管理を、足裏から始めてみてはいかがでしょうか。全国の書店、ネット書店で販売しています。

『すべての不調は足裏をみればわかる!』(ワン・パブリッシング刊)

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