NHK札幌放送局と北大が包括連携協定。社会的課題解決や教育研究振興を目指す

NHK札幌放送局と国立大学法人北海道大学(北大)が、このたび包括連携協定を結んだ。NHKの映像アーカイブや北大の所有する文献や標本などを“未来への指針”として活用するほか、北大の最先端研究とNHKの地域ネットワークを組み合わせ、地域課題解決に向けたプロジェクトに取り組むことなどが検討されている。

4月9日に、NHK札幌放送局の8K公開スタジオで行われた締結式では、NHK札幌放送局の出田恵三局長が「北海道大学とNHKの双方には、北海道の民族・文化・自然環境の多様性と歴史が文献や標本、映像として保管されています。互いの優れたアーカイブを活用することは歴史に学び、未来への指針となるはず。大学の最先端の研究とNHKの地域ネットワークを組み合わせ、地域課題の解決に向け、食や農業、SDGs、GX(Green Transformation)など幅広い分野での協働や、北海道発の世界的恐竜・カムイサウルスの共同研究など、今回の包括連携を通して北大のフロンティア精神を共有し、北海道の皆さんがワクワクする学びのプロジェクトに取り組んでいきたい」と語った。

北大の寳金清博総長は「北海道の地で互いに長い歴史を持つ北大とNHKが包括連携協定に至ったことを大変うれしく思います。本学は昨年、1876年の開学以来培ってきたアイデンティティーを、次の150年に向けて大きく飛躍させるべく、2030年に向けたビジョン『HU VISION 2030』を公表しました。このたびの協定により、本ビジョンに掲げる『教育・研究の卓越性:Excellence』と『教育・研究を社会に広げる展開力:Extension』の二つを基軸に、北海道から世界共通の目標である『持続可能なWellbeing社会』の実現をNHKと共に目指していきます」と述べた。

NHKは25年に、前身の社団法人東京放送局によるラジオ放送開始から100年の節目を迎える。一方、北大は26年に創基150周年となる。今回の協定は、それぞれの節目を機に、北海道の社会的課題の解決、地域社会の活性化、また、双方の資産を生かした教育研究の振興及び人材育成に寄与することを目的としている。

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