ローランドDG、MBOに伴うTOB期間を再延長

米投資ファンドのタイヨウ・パシフィック・パートナーズは12日、業務用プリンター大手のローランド ディー.ジー.(DG)に実施中のTOB(株式公開買い付け)について、同日までとしていた買付期間を4月26日まで10営業日延長すると発表した。ローランドDGをめぐってはブラザー工業が子会社化に向けた対抗TOBを予告し、争奪戦の様相を呈している。買付期間の延長は2度目で、ブラザーの提案に対する検討期間を確保するためとしている。買付価格は変更していない。

ローランドDGのTOBはMBO(経営陣による買収)の一環として2月13日に始まった。TOB主体はタイヨウ・パシフィック・パートナーズの傘下企業で、ローランドDG株の買付価格は1株あたり5035円。

ブラザーは3月半ば、タイヨウ側を165円上回る5200円の買付価格を提示したうえで対抗TOBを5月中旬をめどに開始する予定を発表した。これに対し、ローランドDGは同月末、タイヨウが実施するTOBへの賛同の意見は維持するものの、応募については推奨を撤回し、株主の判断に委ねる旨を決めた。

12日のローランドDG株の終値は5530円。タイヨウ、ブラザーが提示した買付価格をいずれも大きく上回る高値圏で推移しており、現時点ではTOBの成立が困難な状況にある。

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