店頭早くも初夏の装い 気温上昇で冷感レギンスなど好調 昨年より2週間早く売り場切り替えも

昨年より早く初夏の衣料に切り替えた商業施設の売り場(広島市南区)

 中国地方の小売店で、初夏向けの衣料品や雑貨の売れ行きが早くも伸びている。気温の上昇を受け、昨年より2週間早く春物から切り替えた売り場も。新型コロナウイルス禍が和らいで外出する人が増え、帽子や日傘も好調だ。薄着になる季節に向け、透けにくいシャツを扱う企業もある。

 商業施設のゆめタウン広島(広島市南区)の女性服売り場では、触れると冷たく感じる素材を使ったレギンスパンツや、半袖Tシャツなど初夏向けの商品が目立つ。春物からの切り替えをゴールデンウイーク前だった昨年より約2週間早めた。

 田中宏和チーフバイヤーは「今月に入り気温が上がって売れ行きが伸びている」と話す。今年は外出する人が増えるとみて、店舗を運営する地場流通大手イズミ(東区)の衣料品ブランド「シュカ」にアームカバーも初めて加えた。

 百貨店のそごう広島店(中区)でも、昨年より早めに初夏向けの衣料品へ切り替えた売り場がある。裾をひもで絞り足元をのぞかせるパラシュートパンツや、素肌がほんのり透ける素材のブルゾンが注目を集めている。

 福屋(同)は、日傘やアームカバーなど紫外線(UV)対策商品の4月上旬の売り上げが前年同期を1割上回った。UVカット効果の高い化粧下地も好調。広島三越(同)は折りたためる軽い生地の帽子やサンバイザーが例年より1カ月ほど早く売れ始めた。「花見に出かける人も多かったためでは」とみる。

 スーツ販売の青山商事(福山市)は今月、光の透過を防ぐ高機能素材を使ったビジネス向けの白いTシャツを発売した。医療用の白衣と同じくらい下着が透けず、春や夏のニーズを見込む。

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