東京の春を彩る「桜とチューリップ」 東京23区内を散歩気分でコラボを満喫『浮間公園』『蘆花恒春園(芦花公園)』

頭上の桜と足元を彩るチューリップで色彩豊かな春を満喫(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

春本番の到来。3月は思いがけず、冷え込む日が続き、ダウンジャケットやコートをいつまでも手離せずにいたが、4月になるとガラリと季節が変わり、少し遅れ気味で春がやってきた。

春を代表する桜とチューリップ。視界を埋め尽くすほどの色とりどりの世界は、この季節だけの絶景とも言っていい。東京、しかも23区内でも桜とチューリップのコラボが美しいスポットがある。

■野鳥も羽を休める水辺のオアシス「浮間公園」

新宿からJR埼京線で約20分。浮間舟渡駅のすぐ目の前に広がるのが「浮間公園」。公園のすぐ近くには荒川が流れ、敷地の約40%を占める「浮間が池」は荒川の大改修によって残ったもの。こういった環境から、23区内とは思えないほどに浮間公園には多くの野鳥が集まる。

池畔には浮間公園のシンボルでもある風車。そして風車の周りには桜とチューリップが咲き乱れ、春の浮間公園はフォトジェニックな風景に彩られる。

■見上げると桜、足元を彩るのは2万球のチューリップ

春の浮間公園は何といっても桜とチューリップの豪華コラボ。桜はすでにピークを迎え、その後、春の嵐のような雨と風によって少し散ってしまったが、もう少し楽しむことはできるだろう。

そして、足元を彩るのは赤、黄色、白、ピンクなど色鮮やかなチューリップ。浮間公園には約2万球のチューリップが植えられ、桜とのコラボは春の風物詩ともいえる。

この時期は、特別に「花と光のムーブメント」として、17時30分から21時までライトアップされるので、夜に訪れてみるのもいいだろう。

●施設概要

浮間公園
〒174-0041
東京都板橋区舟渡2丁目14
TEL 03-3969-9168
開園時間:常時開園
入園料:無料

■明治の文豪の邸宅が今も残る「蘆花恒春園(芦花公園)」には高遠小彼岸桜をはじめ12種の桜に彩られる

徳富蘆花が過ごした邸宅、書院が今も残る

「不如帰(ほととぎす)」などの名作で知られる明治、大正期の文豪、徳富蘆花(とくとみろか)。彼が夫人とともに後半生を過ごした邸宅が今も残るのが「蘆花恒春園」。現在の東京都に家屋、耕地が寄贈される際に夫人の意向に沿い、武蔵野の原風景を保存し、公園として開設されたのが現在の「蘆花恒春園(芦花公園)」。

東京の大動脈、環状8号線(環八)と交通量の多い幹線道路沿いながらも、一歩、足を踏み入れると往時を偲ばせる落ち着いた雰囲気に包まれる。

■季節ごとに彩られる「花の丘」には多様な桜とチューリップが色鮮やか

武蔵野の原風景が残る「蘆花恒春園」であるが、園の南側にある「花の丘」では、季節ごとに色とりどりの花々に満ち溢れている。

蘆花恒春園の桜といえば、“天下第一の桜の名所”と呼ばれる長野県、伊那市高遠町より寄贈された「タカトオコヒガンザクラ」が東京で見ることができる貴重なスポットとして有名だが、ひと足早く、すでに葉桜となっている。

しかし、花の丘には山桜、福禄寿、関山、ソメイヨシノ、大島桜、十月桜、アーコレード、御衣黄、紅豊、河津桜、八重紅枝垂と12種もの桜が植えられており、個性豊かな様々な桜が時期もそれぞれに美しい花を咲かせている。

チューリップやまだ菜の花の咲いているところもあり、桜と一緒に色とりどりの花々を同時に楽しむことができる。

●施設概要

蘆花恒春園
〒157-0063
東京都世田谷区粕谷1-20-1
TEL 03-3302-5016
開園時間:常時開園
入園料:無料

春になると気温が高くなるだけでなく、あちこちで咲く花々の色彩豊かな景色によって、気持ちも軽やかになってきますね。まずは近くの自然散策から春の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。

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