<試写室>『おいハンサム!!2』得も言われぬ笑いを提供して、源太郎パパが立ち上がって、いつも通り大団円!というわけのわからなさ

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<試写室>『おいハンサム!!2』第2話

前作もそうでしたが、『おいハンサム!!』、2になって輪をかけてあらすじが書きにくい!!

だって、『おいハンサム!!』って、事件を解決したり、ミッションをクリアしたり、誰かと誰かが結ばれたり、衝突したり…と、何かひとつのエピソードに向かって収束していくわけではない…いや、その実、奥底では、とてつもなく美しく、ひとつのテーマに向かって、収束してはいる、してはいる…んだけどさ、外見だけぼんやり眺めてたら、どこまでも散文的…原作が短編マンガ、オムニバスってこともあるんだろうけど、どのエピソードも関係なさそうでありながら関係ある…とはいえ、やっぱり、関係??…ある??…よね??とか、考えてるひまがあったりなかったりしつつ、結局はどれもこれもファニーなエピソードの数々なもんだから、どこをどう、あらすじにしていいモノなのか…ホントに、迷う…まさに「試写室」泣かせの作品…。

ドラマ公式のあらすじ…戸惑いが…隠せてない!!!

ってことで、参考にしようと思って、公式のあらすじをのぞいてみたんだけど、もう、公式の時点で、あらすじに…戸惑いが…隠せてない!!!

だってまず、

――近所に住むミチル(藤田朋子)は人気洋菓子店の店主・通称“ムッシュ”(高橋克典)に夢中で千鶴(MEGUMI)に結婚宣言をする。

っていきなり、近所に住むミチル!からの、通称“ムッシュ”!という脇役二連発(言い方!)から始まったと思ったら、「千鶴に結婚宣言をする」という“THE知らんがな”。

なおかつ、ムッシュ=高橋克典さんで、無駄に豪華なキャスティング(言い方!2回目)という、謎に情報量が多いわりに、中身は意味不明というキャッチー(褒めてる?褒めてます!)。

続いて、

――仕事は絶好調なのに恋愛は絶不調の由香(木南晴夏)は、かつて告白してフラれた男と再会、対処法を元カレの大森(浜野謙太)に相談する。里香(佐久間由衣)は同級生に食事に誘われるが乗り気になれない。

由香については現状説明と、前作からの主要キャラである元カレ大森までうまく絡めるという、急に丁寧なあらすじっぽい感じでまとめたかと思いきや、里香については急激に熱が冷めたのか、やたら簡素だわ「食事に誘われるが乗り気になれない」という“THE知らんがな”(二回目)。

それは、つまり、公式自らが、あらすじが書きにくいことを、白状しているかのよう!!あらすじの二段目なのに、なんだか箇条書きっぽいし!!!

そしてトドメ、

――重大な浮気疑惑のある婚約者・ユウジ(須藤蓮)と距離を置いた美香(武田玲奈)は変なものや変な女と出会う。

雑!!!雑か!!!!こちらも簡潔かつ丁寧にユウジについて説明し出したかと思ったら、「美香は変なものや変な女と出会う」って、雑か!!!「変なものや変な女と出会う」って、公式のあらすじ史上、最も雑か!!!!あらすじの常套句“ひょんなことから”を超える、雑か!!!

で、しまいには、

――パッとしない三姉妹のために、少しウザいが強いパパ・源太郎(吉田鋼太郎)が立ち上がる!

あらすじ、うまくまとまりました~!…じゃねーーーーー!!!

冒頭の、「ミチルが“ムッシュ”に結婚宣言」と、「源太郎が立ち上がる!」の整合性は?!!?!!!っていうか、そもそも「ミチルが“ムッシュ”に結婚宣言」のエピソード、絶対いらんだろ!!あらすじに書く必要性、ないだろ!!!!

…うん、はい。というわけで、僕史上、最も「試写室」が書きにくかったので、ついつい公式のあらすじで遊んでしまいました。

結局のところ、楽しいドラマ♡に仕上がっているのだから、とどのつまり、わけがわからなくなる

とはいえ、やんややんや、ここまで一人で大騒ぎしてしまいましたが、今回の第2話、その、いらんだろ!!必要性がないだろ!!と散々だった「ミチルが“ムッシュ”に結婚宣言」こそが、とてつもなく重要なのです(結局な)。

その、「ミチルが“ムッシュ”に結婚宣言」が、序盤からジワジワと物語に浸食しはじめ、謎に伏線まで散りばめて、終盤、見事なんだかよくわかんない伏線回収まで繰り広げて、爆笑とまではいかないけどすっごく不思議で得も言われぬ笑いを提供して、ついに源太郎パパが立ち上がって、いつも通り、ありがたいパパのお言葉によって、大団円する!!という、平常運転のわけのわからなさ!=『おいハンサム!!』ワールドを繰り広げる!=何が何だかはわかんないけど、結局のところ、楽しいドラマ♡に仕上がっているのだから、とどのつまり、わけがわからなくなるのです。

特に今回は中盤、“元カレの大森”関連で、とてつもない事件(というか事実が発覚?)、が起こるのですが、通常のドラマだったらそこはもっと煽(あお)るか、掘り下げるか、キャッチーに演出するか、擦(こす)りまくるか…、いや、少なくとも、もっと長尺で遊ぶくらいのことはしてもおかしくないほどの、“ある事件”(のようなもの)が起こるというのに、このドラマときたらどこまでも平常運転。

今回のテーマである「人生には知らない方が良いこともある」にすっと寄り添って、ふと思い出してみると、その“ある事件”が、深みにハマるようでハマらない、いや、すっごく深い…気が??する?!?!よね??っという、とてつもないさりげなさを見せるのです。っというわけで、その、“元カレの大森”関連にも注目です。

で、今週も当然、視聴者全員大好き、ユウジだって、いつまでもどこまでもハッスルが過ぎる!ので、今週も、何から何まで、お楽しみに!!!

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