今年7月、新作シリーズ『キン肉マン 完璧超人始祖編』のアニメ放送が決定した、ゆでたまご(原作:嶋田隆司氏、作画:中井義則氏)が手がける『キン肉マン』。先日、追加キャストが発表され、ファンは盛り上がりを見せている。
1979年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載がはじまった本作。漫画やアニメをリアルタイムで楽しんでいた筆者は今や“アラフィフ”と呼ばれる世代に突入しているが、40年以上の時を経ていまだに楽しめるとはありがたいものだ。
『キン肉マン』の魅力は語り尽くせないが、筆者はなかでもキャラクターが繰り出す息の合ったコンビプレイが大好きだった。そこで「即死級」な威力を持つタッグ技を振り返ってみよう。
■「マッスル・ドッキング」言わずと知れた最強のコンビプレイ!
まずは、最強コンビプレイともいえる、キン肉マン&キン肉マングレート(プリンス・カメハメ)の「マッスル・ブラザーズ」による「マッスル・ドッキング」だ。
初披露は夢の超人タッグ編における「四次元殺法コンビ」との一回戦。キン肉マンがペンタゴンにキン肉ドライバーをかけて、その肩に乗る感じでキン肉マングレートがドッキング。そして、ブラックホールにキン肉バスターを仕掛けた。
この時、試合を見ていた観客だけではなく正義超人たちでさえ驚いており、バッファローマンにいたっては「それぞれ相手に決めた時の2倍…いや 10倍の破壊力をもっているだろう」と解説している。
ただ、息絶えたカメハメの代わりに2代目グレートとなったテリーマンが仕掛けたときには、キン肉マンとのコンビプレイが上手くいかず、「マッスル・ドッキング」は失敗してしまう。強力なタッグ技だけに、息が合っていないと成功しないのだ。
キン肉マンの代表的な必殺技だけに単体でも素晴らしいが、ドッキングすることで破壊力はまさに即死級だ。
でも、これって技を仕掛けるほうも首や肩の負担が凄まじいだろうな。しかも、グレートはキン肉マンの“トサカ”部分に股間がマッチしているのだが、あのトサカはキン肉カッターで敵を切り裂くほどの硬さなのでは……乗る側も即死級だ!
■「ロングホーン・トレイン」無意味とか野暮なことは言わないぜ…モンゴルマンがやることに外れはないはず!
次は、モンゴルマンとバッファローマンのコンビ「2000万パワーズ」の必殺技「ロングホーン・トレイン」だ。
モンゴルマンがバッファローマンを背負い、相手に向かって突進する大技だ。とはいえ、重量級のバッファローマンが上になるので、モンゴルマンのスピードを殺してしまうのではないかと疑ってしまうが……。
この技は当時から無意味ではないか?と、筆者の小学校のクラスでも話題になっていた。腰も痛いだろうし、おそらく視界も悪い。モンゴルマンにメリットはなさそうだし、バッファローマンは仰向けに担がれている状態だし。ハリケーンミキサーで吹き飛ばした相手を、モンゴルマンがレッグラリアートで仕留めたほうがカッコいいんじゃ……?
しかし、そこはモンゴルマンである。彼に限って無意味なことはしないはずだ。この技の“トレイン”は新幹線を意味している。最高速度は時速250キロを超えるほど、日本が誇る超特急なのだから。
そう、モンゴルマンは自身のスピードを維持したまま、バッファローマンを背負って攻撃するのだ!(……たぶん)結果的に乱入コンビ「地獄のネジ回し」に、しっかり勝利していた。
■「地獄のコンビネーション」絶対に食らいたくない…ああ、スペシャルマン!
タッグ技は、正義超人たちだけではない。悪魔超人の名コンビも存在している。
「夢の超人タッグ編」では「第一回宇宙超人タッグ・トーナメント」の開会式の途中、アシュラマンとサンシャインによる「はぐれ悪魔超人コンビ」が登場。実力行使で弱小コンビを追放しようとする。ここで繰り出した即死級の技が、「地獄のコンビネーション」だ。
その相手は、「ビッグ・ボンバーズ」のスペシャルマンとカナディアンマンだ。怪力を誇るこの両人だが、アシュラマンに“弱小”と言われ「超人としての名誉の問題だ!!」と憤る。そこに「おまえたちに名誉なんてもんがあったのか!?」と、さらに煽るアシュラマン。さすがは悪魔界のプリンス、挑発がうまい。
最終的に、サンシャインがカナディアンマンにロメロ・スペシャルを、さらに空中に飛んだアシュラマンもスペシャルマンに同じ技を仕掛ける。そして、サンシャインによって下になったカナディアンマンのボディに、アシュラマンがスペシャルマンのボディを寸分たがわず命中させる。
両者の胸が激突し、鮮血が飛び散った。これは怖い。そして、出場枠をはぐれ悪魔超人コンビに取って代わられてしまったビッグ・ボンバーズ……。
超人オリンピックのときといい……スペシャルマンよ、君って本当に哀れだ。
■「8の字固め」理屈は分かるが…殺す気満々じゃんスカル・ボーズって…
最後は、「アメリカ遠征編」で登場した「宇宙一凶悪コンビ」のスカル・ボーズとデビル・マジシャンの「8の字固め」を紹介しよう。スキンヘッドに全身「SUKARU」という文字を入れているスカル・ボーズは見た目もカオスだ。
対するイワオとブラック・シャドーの「凸凹ブラザーズ」だが、開始早々、イワオを天井に串刺しにし、いきなりブラックシャドーの両腕を引きちぎる宇宙一凶悪コンビ。ブラックシャドーはアンドロイド超人で、頭脳はキン骨マン。だからといって容赦なく腕をちぎるなんてとんでもない。
そして、デビル・マジシャンが首四の字固めを決め、さらにスカル・ボーイ足四の字固めを決める。しかも、両者ともロープの伸縮力を利用しているので、ギブアップしないブラックシャドーは体がバラバラになってしまった……。なんと卑劣な技だろう。理屈は分かるが、最初から殺す気満々なので恐ろしい。
ただ、完成度は高い。全米でタッグチャンピオンになるにはこのくらいの勢いがないと生き残れないのかもしれないな……。
さて、ほかにもネプチューンマン&ビッグ・ザ・武道の「クロス・ボンバー」など、タッグ技は多く見られる。新アニメ『キン肉マン』ではどのようなカッコいいシーンが見られるのか、今から楽しみだ。