「歩行中の死者」約7割が“65歳以上”…事故に遭わないために注意すべきポイントは?専門家が解説

TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。4月5日(金)と12日(金)放送のテーマは「令和6年 春の全国交通安全運動」について取り上げました。今回は5日の放送で取り上げた内容を紹介します。

※写真はイメージです

◆令和5年に起きた交通事故をチェック

交通安全に関する啓発活動期間である「全国交通安全運動」。春季と秋季で実施され、「令和6年 春の全国交通安全運動」の期間は、4月6日(土)から15日(月)までです。まずは今回のゲスト、警察庁 交通局 交通企画課 安全係の鈴川晶央(すずかわ・まさてる)さんに令和5年の交通事故の発生状況について聞きました。

令和5年の交通事故死者数は2,678人(前年比68人増)という結果でした。前年比増は8年ぶり(平成27年以来)で、重傷者数も2万7,636人(前年比1,609人増)と残念な結果でした。

令和5年の事故傾向を見てみると、歩行中の死者数は2年連続で増加。自転車乗用中の死者数は346人(前年比7人増)です。その原因として、鈴川さんは「死者の約半数が頭部を損傷しており、その約9割がヘルメットを着用していませんでした」と説明します。また、自転車と歩行者が衝突した事故で歩行者が死亡または重傷を負った事故のうち、約4割が歩道で発生しています。

二輪車乗車中の死者数は508人(前年比73人増)。事故類型別に見ると“右折対直進”の事故が大きく増加しました。自動車乗車中の死者については、約4割がシートベルト非着用だったほか、携帯電話などの使用による死亡・重傷事故件数が増加しています。

◆交通ルールを守って道路を横断しよう

こうした状況を踏まえて、今回の春の交通安全運動の重点ポイントは、以下の3点です。

1:子どもが安全に通行できる道路交通環境の確保と安全な横断方法の実践

2:歩行者優先意識の徹底と「思いやり・ゆずり合い」運転の励行

3:自転車・電動キックボード等利用時のヘルメット着用と交通ルールの遵守

1つ目についての注意点は、横断歩道外の横断や車両等の直前直後の横断など、法令違反する歩行者が犠牲になる事故が多いことです。鈴川さんは「近くに横断歩道がある場所では、必ず横断歩道を渡ってください」と呼びかけます。車が近づいて来ていないかどうかを確認し、横断するときは信号に従うなど、基本的な交通ルールを守りましょう。

歩行者も、自ら危険を呼び込まないようにすることが大切です。横断時は手を上げて、車の運転者に横断する意思を明確に伝えながら、道路の左右から来る車はないかを確認してから横断を始め、横断中も周囲の安全を確認することを心がけましょう。

歩行中の死者の約7割が65歳以上です。なお、通行目的で多いのは“買い物と“散歩”で、夕方以降に出かける場合には反射材の着用が推奨されますが、「散歩中に亡くなった65歳以上の方のうち、半数以上が夜間に事故に遭っており、ほぼすべての方が反射材を着用していませんでした」と鈴川さん。機会あるごとに安全を確認したうえで、道路を横断するように声がけをおこなってください。

<番組概要>
番組名:JA共済 presents なるほど!交通安全
放送日時:毎週金曜 7:00~7:27
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/koutsu/

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