クロフトで開催された2回目のBTCC公式テストは、2台のBMWやフォード艦隊を抑えたヒョンデが最速

 先週4月3日のブランズハッチにて開催された初回に続き、クロフト・サーキットで実施されたBTCCイギリス・ツーリングカー選手権2回目の開幕前公式テストは、雨に祟られたコンディションのなか“伏兵”ローナン・ピアソン(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)が最速タイムを記録。

 前回最速のジェイク・ヒル(レーザー・ツールズ・レーシング・ウィズ・MBモータースポーツ/BMW 330e Mスポーツ)や4冠王者コリン・ターキントン(チームBMW/BMW 330e Mスポーツ)の2台、さらにダン・カミッシュ、王者アシュリー・サットン、そしてダニエル・ロウボトムらのNAPAレーシングUK艦隊を抑える結果となった。

 ブランズハッチに続きシリーズ登録の20名中19名が集まったクロフトは、午前のセッション開始時点ではまだドライ路面だったものの、ランチブレイク前最後の1時間で雨粒が落ち始める難しい条件となった。

 そんな予報のなか最高のトラックコンディションを活かそうと各陣営が早めの動き出しを見せ、エクセラー8・モータースポーツ製のヒョンデが、冬の間に大幅なアップデートを施したという名門ウエスト・サリー・レーシング製のBMWを上回る印象的なスピードを披露した。

 背後では昨季すべてのタイトルを総なめにしたフォード・フォーカスSTの3台が並び、早くも2024年の勢力図を窺わせる構図に。さらにWTCC世界ツーリングカー選手権経験者トム・チルトン(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)を挟んで、シリーズ電撃復帰の元世界王者ロブ・ハフ(TOYOTA GAZOO Racing UK/トヨタ・カローラGRスポーツ)が続くことに。

 以下、今季よりトヨタのサテライトチームから参戦するジョシュ・クック(LKQユーロ・カーパーツ・ウィズ・シネティック/トヨタ・カローラGR Sport)と、ハフの僚友アンドリュー・ワトソン(TOYOTA GAZOO Racing UK/トヨタ・カローラGR Sport)と、最後はカローラ3台が占めるトップ10となった。

シリーズ電撃復帰の元世界王者ロブ・ハフ(TOYOTA GAZOO Racing UK/トヨタ・カローラGR Sport)も好調を維持する
前回最速のジェイク・ヒル(Laser Tools Racing with MB Motorsport/BMW 330e M Sport)は、午後にコースオフを喫する場面も
ダン・カミッシュ、王者アシュリー・サットン、そしてダニエル・ロウボトムらのNAPA Racing UK艦隊も、引き続きタイトル候補の筆頭格を占める

 このうちワトソンのカローラはセッション中盤でコースオフを喫する瞬間を経験したものの、最終的に競争力のあるタイムを計時できたが、2022年王者トム・イングラム(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)は雨の前にフライングラップを計測できず。午後に向け厳しい状況に置かれてしまう。

 事前の予報どおり、午後の走行の大部分はウエットコンディションで進行したため、トリッキーな路面状況で事実上のタイム更新は不可能に。それでもサットンとロウボトムの2台はレインのペースで安定感を見せつけ、ワトソンのカローラが追随する。一方で後輪駆動モデルの代表格たるヒルのBMWは、複合サニーコーナーのイン/アウトでコースアウトを喫し、バリアに衝突するアクシデントに見舞われた。

 同じく午前に好調だったクックもコースを外れる瞬間があり早めにテストを切り上げると、対照的にイングラムは午後の4番手を記録。総合では上位勢に届かなかったものの、雨の中でも競争力のあるところをアピールした。

 これでブランズハッチ、クロフトと続いたテストを終え、BTCCの一行は週明け4月16日(火)にドニントンパークへ移動。ここでは定番の公式シーズンラウンチとともに最後のテストが予定されている。

今季よりトヨタのサテライトチーム参戦するジョシュ・クック(LKQ Euro Car Parts with SYNETIQ/トヨタ・カローラGR Sport)
“4冠王者”コリン・ターキントン(Team BMW/BMW 330e M Sport)もトップ3を記録した
2022年王者トム・イングラム(BRISTOL STREET MOTORS with EXCELR8/ヒョンデi30 Fastback N Performance)は雨の前にフライングラップを計測できず

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