朝一バーディの“悪いイメージ”を払拭 小祝さくらは12m沈め「いい出だし」

出だしのバーディで波に乗った小祝さくら(撮影:佐々木啓)

<KKT杯バンテリンレディス 初日◇12日◇熊本空港カントリークラブ(熊本県)◇6518ヤード・パー72>

小祝さくらが今季2勝目に向けて快調なスタートを切った。4バーディを奪い、今季4度目のボギーなしで「68」をマークし、首位とは1打差の4位タイ。前週の「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」で今季初の予選落ちも、「少し疲れもあったので、家でゆっくりしていた。いつもだと予定があったりして家にいないけど、料理を作ったりして好きなことをやっていました」と、いい休養となったようだ。

1番パー4で12メートルを一発で沈めた。優勝した2週前の「ヤマハレディース葛城」も初日はバーディ発進。そのときは「スタートのバーディはいつもいいイメージがない。しっかり気を引き締めようと思った」と話していたが、この日は「まさかあんなに長いのが入るとは思わなかったので、いい出だしが切れた。ショットも安定していたので、安心してプレーできました」とニコニコ顔で真逆の反応。こんな“朝令暮改”も、ゆるふわキャラの小祝の魅力だ。

今大会最終日の14日は熊本地震からちょうど8年となる。開幕前夜に襲った地震で2016年の大会は中止。当時、北海道に住む高校3年生だった小祝もニュースで知った被災地の状況に「熊本には友人もいたので、すごく心配だった」と心を痛めた。1998年度生まれの黄金世代では最初にツアー通算10勝に到達。今や女子ゴルフ界の屋台骨を支える中心選手の一人となり、今季は男子の選手会長に相当するプレーヤーズ委員長も務める。

明るいニュースを届けるのもプロの大事な仕事。15日は26歳の誕生日。まずは自らを祝い、25歳の一年を笑顔で締めくくる。(文・臼杵孝志)

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